アメリカの児童文学を映画化したちょっとファンタジーっぽいファミリードラマです。
愛娘の死に直面した家族が悲しみを乗り越えていくまでを静かに描いていました。

空高く眩しい青空の中を二人の子どもがふわふわ飛んでいた。
前を行く妹・絵里奈(吉田里琴)は楽しそうに飛び回りながら、どんどん先に行ってしまう。
兄・英治(広田亮平)は妹を呼びながら追いかけるのだが、どうしても追いつけない。
英治が地上に引っ張られるように落ちていくと、病院の廊下にいる両親たちが見えた。
そして自分を呼ぶ声に目を覚ますと、そこは病院のベッドだった…

交通事故で突然に幼稚園生だった娘を失った両親と一人だけ助かった兄が
それぞれの想いを胸に秘めながら家族の絆を取り戻していく物語です。

家族のうち、お父さんが一番悲しみの殻に閉じこもってしまいます。
子ども二人を買い物に行かせた責任を感じて自分を責め、口数も少なくなり、
家族とさえあまり会話が出来なくなります。
お母さんももちろん悲しいのですけど、お腹の子どものためにも頑張るのです。
そしてお兄ちゃん。
彼が一番しなやかに死を受け止め、妹との思い出に励まされつつ、
悲しみからなかなか立ち直ることのできない両親をいたわろうとします。
彼の健気な気持ちがようやく伝わった時は、もう涙涙涙でした~

それにしても子役の広田亮平くんと吉田里琴ちゃんの存在感はすごかったです。
特に思い出の中で笑顔を振りまいている里琴ちゃんの演技は本当に可愛くて印象的です。
こんな元気な妹がいなくなってしまったら、家の中が寂しくなってしまうのも当然です!というほど
観ていて気持ちいいくらい元気いっぱいでした(^^)

隣で鞄の中のハンカチをずっと探していた人を横目で見ながら、
この映画にハンカチは必需品ね~と感じた1本です(^^ゞ



監督:冨樫森 出演:竹野内豊 水野美紀 広田亮平 吉田里琴
2008年 日本
(080331)

追伸
この映画は試写会で観ました。公開は4月26日以降の予定です。