1990年に少女コミック原作の『櫻の園』を撮った中原俊監督が
現代の少女像に合わせて新たなストーリーを創り上げた青春映画です。
チェーホフの“桜の園”を上演するシチュエーションをもとに
元気に自分の未来を切り開いていこうとする少女たちを爽やかに描いていました。

音楽家の両親の期待を背負い、幼い頃からバイオリン一筋に生きて来た結城桃(福田沙紀)は
ある日、自分の生きる道はバイオリンではないと感じて東京の音楽学校を退学した。
故郷に戻ってきた桃は櫻華学園の高等部へ編入する。
この学園を卒業した母と姉が優秀だったため、何とか入れてもらえたのだ。
だが、転入してきた桃にとって、古いしきたりと伝統が守られている校風の櫻華学園は
なかなか馴染むことが出来ない場所だった。
そんな中、授業をサボって立ち入り禁止の旧校舎に潜り込んだ桃は
今は無き演劇部の残した台本“桜の園”を見つけた…

前作は観ているのですけど、あまり細かくは覚えていません(^^ゞ
少女たちの心と人間関係が繊細に描かれていて、静かで綺麗な印象を受けたのを覚えています。
今回は主人公に福田沙紀さんを迎えて、大きく印象を変えた新しい作品になっていました~

10年前にある出来事がきっかけで廃部となってしまった演劇部と“桜の園”。
その台本を偶然手に入れた桃は、演劇に興味を持った生徒たちと上演しようと考えます。
しかしそのことが学園に知られ、上演の却下と謹慎処分が下されてしまいます。
10年前の真相。大人たちが下す生徒たちの評価への不安。様々なことが桃に迫ってきます。
自由な意思で行なおうとしていた上演でしたけど、現実には簡単には叶わない希望だったのです。
でも、桃の前向きな行動は、学校に従順だった生徒たちにいつの間にか強い心を与えていました。

明るさと強さを持っている福田沙紀さんのパワーがとても印象的でした(^^)
友情や憧れなど細やかな想いも織り交ぜながら、でもパワーを感じる作品を観ながら、
う~ん、時代は変わっていくのよね~としみじみ感じてしまった1本です。



監督:中原俊 出演:福田沙紀 寺島咲 菊川怜 京野ことみ
2008年 日本
(20080925)

追伸
この映画は試写会で観ました。公開は11月8日以降の予定です。