シングルマザーのクリスティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)は9歳の息子ウォルターと二人暮し。
電話交換士の主任という役職につきながら、女手1つで幼い息子を育てていた。
ある土曜日、休日で息子と過ごしていたクリスティンは、病欠の職員の代わりに急遽出勤を頼まれる。
仕方なく息子一人を家に残し、仕事へ向かった彼女だったが
夕方帰宅すると息子の姿が見あたらなくなっていた。
必死に近所を探しても見つけられなかった彼女は警察へ捜索依頼の電話をかけた。
だが、警察は子供の捜索は24時間が過ぎないと受け付けられないと主張する。
翌日、ようやく警察は動き始めたが、何日過ぎても息子の音沙汰はなかった。
5ヵ月後、失意の彼女の元に息子が見つかったという連絡が入る。
喜びながら駅へと駆けつけた彼女が見たのは、息子と名乗る別人の子供だった…
出だしから聴こえてくるイーストウッドの切ないメロディと、アンジェリーナ・ジョリーの演技に引き込まれました~
幼い一人息子の失踪事件。
母としてはそれだけでも本当に辛いのに、クリスティンは警察の手でもっとひどい仕打ちをされます。
別人の子供を連れてこられて、捜査を打ち切りにされてしまうのです。
捜査の責任者ジョーンズ警部は、彼女が息子ではないと主張しても聞く耳を持ちません。
そしてミスを認めたくない警察は、彼女を陥れようと画策し始めます。
権力のある者が正しいことに権力を使わないと、どんな悲劇が起きるかを見せ付けられました(T_T)
彼女の救いだったのは、彼女のことを理解して警察と立ち向かおうとする牧師がいたことです。
ブリーグレブ牧師(ジョン・マルコヴィッチ)は常日頃から警察の腐敗に対して強く主張を述べている人です。
新聞に取り上げられた警察の見解を読んで、彼女に危険が迫っていることを察します。
そして何とか彼女を救い出そうと行動を起こします。
彼女はブリーグレブ牧師や誤解を真に受けない理解ある人々に支えられ、
どんな目に遭おうとも、連れてこられた子供が自分の息子ではないという主張を決して曲げませんでした。
それにしてもアンジェリーナ・ジョリーは迫真の演技でした~
さすがはアカデミー賞ノミネートの演技です。
心痛のためにやつれ、眼光だけはますます鋭くなっていくような痛々しい姿からは目が離せませんでした。
あと彼女の意見を聞こうとしない憎きジョーンズ警部を演じたジェフリー・ドノヴァンは
最近お気に入りのドラマ「BURN NOTICE」で主人公を演じている人だったので、
いつも見ている軽いノリとは違ったガチガチの権力主義者ぶりに、うわーと思いながら観ていました(^^ゞ
失踪事件はたくさんあるのかも知れませんが、突然に子供がいなくなってしまうほど親にとって哀しいことはありません。
彼女のような人が出ないような世界になる日がいつか来ますようにと願ってしまった1本です。
監督:クリント・イーストウッド 出演:アンジェリーナ・ジョリー ジョン・マルコヴィッチ ジェフリー・ドノヴァン
2008年 アメリカ 原題:CHANGELING
(20090212)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は2月20日以降の予定です。