一夫(森田直幸)は両親の離婚により、幼い頃を過ごした母の故郷・信州へと転校してきた。
中学校の教室へ行くと、そこは偶然にも幼なじみの一美(蓮佛美沙子)がいるクラスだった。
信州を離れた後にピアノの才能を伸ばしてきた一夫と、信州で明るくて大らかなまま育ってきた一美。
時の隔たりはあるけれど、どこか気の合う感じは変わらなかった。
その日の帰り道、つもる話をしながら懐かしい場所を巡っていた二人は一美の家に立ち寄った。
蕎麦屋を営む一美の一家は、お祖父さんから幼い姪までいる大家族だ。
一夫を懐かしむ間も無く、誰もが慌しく働いている。
そんな中、お祖父さんの勧めもあって美味しい水を飲むことの出来る泉へと向かった。
二人が泉を囲むように向かい合って水を飲もうとしたところ、ふとした拍子に二人とも泉へ落ちてしまう。
慌ててもつれ合いながら水の外へ出た二人は、濡れた服を乾かすためにそれぞれの自宅へと帰った。
だが、なんと二人の心と身体は入れ替わっていた…
前作は異性への興味を抱き始めた主人公たちの戸惑いと共に
淡い恋心が生まれていく可愛い青春物語という記憶があります。
今回は特にラストが思いっきり変わっていて
人生と死を見つめるような切ない物語になっていました。
観終わった時、“さよなら、あなた”という言葉の哀しみと愛しさが心に響いてきました~
幼い恋心と少しずつ広がっていく世界にときめきを感じ始めた中学生たち。
そんな中学生の一夫と一美に突然、とんでもないことが起きてしまいます。
互いの心が入れ替わってしまったのです。
仕方なく互いの身体に入ったまま、相手の家族と暮らすことにしました。
でも、どんなに頑張ってもやはり慣れないことばかりで失敗の連続です。
二人の家族は二人の変わりように違和感を受けますけど、
時間が経つにつれ二人はそれぞれの家族の中で上手く暮らしていけるようになってきました。
そんなある日、一美の身体の中にいた一夫は身体に異変を感じ始めます。
その異変は二人の運命を大きく揺さぶり始めました。
それにしても主演を演じた蓮佛美沙子さんはキュートですね。
初主演とは思えない存在感です。
潔くも感じる彼女の飾らない真っ直ぐな演技が
この物語に切ないけれどすがすがしい余韻を与えてくれた気がしました。
この作品を観た後なら、『
その日のまえに』をもう少し理解できたかなあとちょっと思った1本です。
監督:大林宣彦 出演:蓮佛美沙子 森田直幸 清水美砂 厚木拓郎
2007年 日本
(20090421)