夏休みが近付いてきたある夏の午後。
部室で友達とコンピュータのキーボードを叩いていた小磯健二(神木隆之介)の前に
憧れの篠原夏希先輩(桜庭ななみ)が現れた。
バイトで一緒に実家まで旅行をしてくれる男の子を募集しているというのだ。
友達とのじゃんけんに勝った健二は、夏希の荷物持ちとなって彼女の実家へとやって来た。
単純な手伝いのバイトだと思っていた健二だったが、
夏希の祖母・陣内栄(富司純子)へ挨拶をしている最中に、突然、夏希から彼氏だと紹介されてしまう。
実は夏希は祖母の誕生日祝いに婚約をしているボーイフレンドを連れて行こうと画策していたのだ。
この3日間だけという約束でしぶしぶ婚約者の役を引き受けた健二は、緊張のあまりになかなか寝付けない。
そんな時、突然、数字だらけの不思議なメールが健二の携帯に届いた…
理解出来ることも出来ないこともまとめてみんな面白かったです~!
仮想空間と現実世界との境界のあいまいさがリアルです。
携帯&ネット等の通信手段から始まり、仕事上のIDや公共機関の窓口など
生活における全てのデータが集まっている仮想空間OZ。
このOZが何者かに乗っ取られたことから、人々の生活の基盤が崩壊していきます。
乗っ取りの犯人にされてしまった健二はパスワードを解読しながら、
本当の敵からOZを取り戻そうと敵に挑み始めます。
その闘いが仮想空間なのに妙に怖くて、敵の不気味さにドキドキでした~
健二を初めとする一人一人のキャラクターはみんなどこか頼りないです。
健二の得意技は数学と理論だけ。
でも、彼の諦めない意思が夏希先輩の親戚一族を動かし始め、占拠された仮想空間を救おうと頑張ります。
どんなに小さな力でもみんなで協力すれば、強大な敵にも立ち向って行けるのです。
そんな気持ちをみんなに教えてくれたのは一族の長・陣内栄おばあちゃんです。
現実社会の混乱を尻目に、こんな時こそ人と人が声を掛け合って繋がっていくことが大切だと
多くの人を励ましながら説いていきます。
その姿はとても力強くてかっこ良いです。
そしてこのおばあちゃんの声を演じていた富司純子さんも最高に良かったです。
それにしても、仮想空間とかネット社会とか近未来にありそうな設定のアニメなのに、
信州の山間にある旧家を舞台に、日本人にしか分からないような思考や生活習慣が次々と登場します。
本家・分家とか、紅白饅頭とか、夏の甲子園にかける想いなんて、日本人ならではですよね。
そんなギャップも面白いなあと思うのと同時に、このアニメが楽しく見られる日本人で良かったなあと
ちょっと思ってしまいました(^^ゞ
観終わった時、キャラクターもストーリーも映像もさすが!と納得した1本です(^^)
監督:細田守 声の出演:神木隆之介 桜庭ななみ 富司純子 谷村美月 斎藤歩
2009年 日本
(20090723)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は8月1日以降の予定です。