シルヴィア(シャーリーズ・セロン)は美しい海岸線を見渡せる高級レストランのマネージャー。
その手腕は評価が高く、レストランはいつも予約でいっぱいだった。
彼女は毎夜誰かと共に過ごしていたが、特定のボーイフレンドは作らない日々を送っていた。
そんな彼女をひとりのメキシコ人男性がじっと見つめていた。
彼女が一人になる時を待ち続けていたのだ。
彼は雨に濡れる彼女を家まで送り届けたが、彼女がベッドへ誘うと顔を背けて家を出てしまう。
翌日そのメキシコ人が、彼女が一人の時を見計らうように改めて近付いてきた。
怒りをあらわにしながら、何がしたいのかと問いかけたシルヴィアに、
男は彼女が遠い昔に置き去りにしてしまった娘の写真を見せ、娘に会って欲しいと言い始めた…
3世代の女性たちの見せた愛と罪と心の傷の大きさが胸にどーんと響きました(T_T)
深い罪の意識のために自分を心身ともに傷つけることしか出来ないシルヴィア(シャーリーズ・セロン)。
愛と幸せを求めて夫ではない男と愛し合うジーナ(キム・ベイシンガー)。
母ジーナの裏切りを知って傷つき、悲劇を呼ぶ行動を取ってしまうマリアーナ(ジェニファー・ローレンス)。
彼女たちはそれぞれ罪の意識と愛との狭間で揺れ動いています。
彼女たちの行動は一言で表せるようなものではありません。
単純な善悪では問えないものなのです。
そんな葛藤を女優たちの見応えのある演技と
深く考えさせられるストーリーでじっくりと描かれていました。
それにしても、最初から最後まで目の話せない作品でした。
物語はいきなり爆発で始まります。
そして、シャーリーズ・セロン演じるシルヴィアの物憂げな朝の様子へと移って行きます。
複雑に現在と過去を織り交ぜながら進んでいく物語は
うっかりすると頭がこんがらがりそうでしたけど、惹き付けられました。
そして、愛が起こした悲劇と悲劇が起こした別れの連鎖を痛みと共に見つめていました。
ラストにシルヴィアが見せたかすかな微笑みに希望の光を感じたと同時に、
それでも人間にとって愛は不可欠なものだなあとしみじみと思ってしまった1本です。
監督:ギジェルモ・アリアガ 出演:シャーリーズ・セロン キム・ベイシンガー ジェニファー・ローレンス D・J・パルド テッサ・イア
2008年 アメリカ 原題:THE BURNING PLAIN
(20090828)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は9月26日以降の予定です。