ある雨の日の午後、一人の男(ジェラール・ジュニョ)が警察署の一室にいた。
男を見た警部は「殺人犯には見えないな」とつぶやきながら、机を挟んで向かい合った。
警部は男にあまり時間が無いと伝える。これから雨のパリを脱出して、青い空と海の見える土地で休暇を過ごす予定なのだ。
男は問われるままに名前と住所を言い、みんなは自分のことをピゴワルと呼ぶと言った。
そして、何故彼がここに来ることになったのか、その長い物語を話し始めた…
ピゴワルの人生は時代の流れに翻弄されていきました(T_T)
パリの下町にあるシャンソニア劇場。
ピゴワルはこの劇場でショーの幕引きを司る裏方でした。
彼はこの劇場一筋です。劇場の花形スターの妻と一人息子に恵まれ充実した人生を送っていました。
そして、彼の進行で楽しいひと時が流れていく様子は、とても華やかで楽しそうでした。
そんなピゴワルを悲劇が襲います。
1935年の大晦日に、ピゴワルは妻の裏切りを知り、職を失くしてしまいます(T_T)
一時は自暴自棄になった彼は、やがてギャラピアに奪われた劇場を取り戻そうと動き始めます。
再び仲間たちと集まった彼は、妻と住む息子への想いを胸に必死に頑張ります。
でも、不況の波と客受けしないショーのために、なかなか軌道には乗りませんでした。
それにしても、劇場を救う歌姫ドゥースを演じたノラ・アルネゼデールは美しいですね~
彼女の歌声と圧倒的な美しさに、街の人々が彼女を求めて劇場に詰め掛けたのも分かりますね。
また、舞台で歌われる曲の数々がとても楽しく印象的で、
この映画がこれらの曲から生まれたのも納得でした。
ピゴワルの送った人生は決して幸せとは言えないものかも知れません。
でも、彼が守りたかった劇場と仲間たちの笑顔を思うと、彼にはこの人生しかなかったかもと感じました。
映画を観た余韻に浸りながら、う~んサントラが欲しいなあとちょっと思った1本です☆
監督:クリストフ・バラティエ 出演:ジェラール・ジュニョ ノラ・アルネゼデール カド・メラッド クロヴィス・コルニアック ベルナール・ピエール・ドナデュー ピエール・リシャール
2008年 フランス/ドイツ/チェコ 原題:FAUBOURG 36/PARIS 36
(20090918)