東野圭吾著の同名小説を映画化した作品です。未読のまま挑戦してみました。
残忍な事件により中学生の一人娘を失った父親が未成年の犯人に復讐する姿を描いています。
観終わった後も人生の希望を失った父親の心の叫びがずっと聞こえてくるような作品でした。
ある冬の日。中学生の娘・絵摩の帰りを待っていた父・長峰重樹(寺尾聰)は
絵摩からもう直ぐ家に着くという電話を受け、笑顔で夕飯の支度を始めた。
だが、絵摩はその連絡を最後に失踪してしまう。
一晩帰りを待ち続けて憔悴した長峰の元に警察から連絡が入った。
今朝、荒川河川敷で発見された遺体が失踪した絵摩だと判明したのだ。
彼は2年前に妻を亡くした後、ひとり娘の絵摩の成長だけを心の支えに生きていた。
たったひとつの生きる希望を奪われ、なすすべも無く日々を過ごしていた長峰の元に
ある日、1つの留守電が入った。
それは、娘を殺した犯人たちを密告する若い男からの伝言だった…
主人公の苦しみと共に、現実を深く考えさせられる物語でした(T_T)
娘を突然奪われてしまった父親。
そのあまりにも残忍な犯行を知ってしまった彼は、犯人への復讐に走ります。
そして、その行動を知った警察は父親を追い始めます。
ただし、父親は犯人の死で全てが解決できるとは思っていません。
また、父親を追う刑事たちの心情も複雑です。
そんな一筋縄ではいかない感情が渦巻く中で、事件は動いていきました。
ストーリーと演技、そして台詞と同じくらいの強さで訴えかけてくるような音楽と映像に
画面から目が話せませんでした。
特に、犯人を追い続ける父親を演じた寺尾聰さんの後ろ姿と感情をなくした表情は忘れられないです(T_T)
また、父親の苦しみを感じつつも娘殺しの犯人と父親を捜索しなくてはならない刑事の葛藤を伝えてくれた
竹野内豊さんと伊東四朗さんの演技も印象的でした。
テーマが重いだけに、観ていてとてもしんどい部分もありましたけど、とても見応えがありました。
観終わった時、これは忘れられない作品になるなあと思った1本です。
監督:益子昌一 出演:寺尾聰 竹野内豊 伊東四朗
2009年 日本
(20091012)