長いこと会っていなかった親友の結婚式に出席するためロサンゼルスを訪れた斉藤道雄(小日向文世)。
道雄は大学卒業後、英語を勉強するためにホームステイしたこともあったが、
20年経った今ではほとんど英語が分からなくなっていた。
空港に着くなりそんな感じた時代の流れに戸惑いながらも、彼はこのアメリカ旅行を楽しもうと考えていた。
結婚を1週間後に控えた親友・上原大介(生瀬勝久)と二人で気ままな旅を計画していたのだ。
一番の目的はナパ・バレーでのワイナリー巡り。披露宴で使うワインを選んでこようと考えていた。
だが、肝心の主役である大介の目的は独身最後の夜を楽しむことだった…
演技派の役者さんたちが演じるキャラクターがみんなぴったりで楽しかったです(^^ゞ
今週は映画も観に行けないくらい忙しい日々が続きました(T_T)
何かをしたいのに出来ない。そんなストレスが少しずつ身体に溜まっていった気がします。
今朝はこの土曜出勤の帰りにこそ絶対に映画を観るぞーと思って家を出ました。
そして、「ニュームーン」とどちらにしようか最後まで悩んで観たのがこの「サイドウェイズ」です。
「サイドウェイズ」の主人公たちは、現状の不安から抜け出したいのに抜け出せない人たちです。
自分の大切にしたい物語を脚本にしようと取り組んでいるのに不評で、自分の仕事に不安を抱える脚本家の道雄。
俳優としてアメリカでチャレンジしたが主演はドラマ1本だけ。今ではレストランの雇われ店長となり、
アメリカ人との結婚を前にこれで良いのかと不安になる元俳優の大介。
離婚を機にアメリカへ来てワインの勉強をしながら必死に頑張っているけれど、
仕事で認められても、心が休まる時がないと感じているワインショップで働く麻有子(鈴木京香)。
そんな彼らは立派な大人である反面、どこか頼りなくて大人になりきれていないようにもみえました。
40代という年齢は人生の中でも微妙な時期なのかもしれませんね。
大きな夢を見られなくなっているような、あと残されている時間のことを考えてしまうような時期。
または、一人で生きるのが辛くなってくるような時期なのかも知れません。
この映画の3人も、そんな人生の曲がり角に立っている自分に気付いて人生を見つめ直します。
そして、それぞれの決心を持って、明日の人生の一歩を新たな気持ちで踏み出し始めました。
それにしても、みんな良い演技でした~
悩める40代を演じた3人も、大介と意気投合するカフェテリア店員を演じた菊地凛子さんも
本当にいい表情で演じていました。
特に4人でピクニックに行くシーンはとっても楽しそうな雰囲気が画面から伝わって来ました。
オリジナルを観た時も楽しかったですけど、やっぱりアメリカ人の物語だなあと感じていました。
今作は日本人らしい細やかさを感じさせるキャラクターと演技で、ちょっと共感しやすかったです。
美しいナパ・バレーの風景に癒されながら、今日の気分にぴったりだったかもと
ちょっと嬉しかった1本です(^^)
監督:チェリン・グラック 出演:小日向文世 生瀬勝久 鈴木京香 菊地凛子
2009年 アメリカ/日本
(20091205)