心から愛していたアーサー・カペルを亡くして悲しみに沈んでいたココ・シャネル(アナ・ムグラリス)は
愛を忘れるように仕事に打ち込んでいた。
ある日、友人に誘われたココは、ロシア出身のストラヴィンスキー(マッツ・ミケルセン)の
“春の祭典”を観賞する。
その斬新で独創的な音楽はクラシックに馴染んだ観客たちに受け入れられなかったが、
ココは彼の音楽と才能に魅了されていた。
それから数年後、デザイナーとして成功したココはストラヴィンスキーへ援助を申し出る。
一旦はプライドから援助を断ったストラヴィンスキーだったが、困窮の中で暮らす家族を思い
家族と共に彼女の別荘へと移り住む決意をする。
最初は家族や妻を思ってココと距離を置いていたストラヴィンスキーだったが、
ココの想いの強さと共に二人の距離は近付いていった。
そして、ストラヴィンスキーの妻カトリーヌ(エレーナ・モロゾーワ)も二人の間に生まれた愛に
段々と気付き始めていた…
自立した女性として描かれているココ・シャネルはとても強くてカッコイイ女性でした~
迷いながら自分の仕事を見つけていった前2作とは違い、
今度のココは仕事では成功しているのですけど愛に迷っています。
最愛の人を喪って心の痛みに耐えている彼女の部屋には、
まだ、アーサー・カペルの写真が立てられています。
そんな時に彼女はストラヴィンスキーに出会います。
彼女は彼を手に入れるため、家族をひっくるめて彼を自分の別荘へと呼びます。
そして彼の才能を愛すると共に、ストラヴィンスキー自身のことも愛し始めます。
その熱烈な愛はストラヴィンスキーの才能を伸ばし、彼の曲に情熱を与えました。
そんな変化にストラヴィンスキーの妻は気付いてしまいます。
でも、ストラヴィンスキーの愛は誰にも止められなくなって行きました。
それにしても主人公を演じるアナ・ムグラリスは美しかったです~
実際にもシャネルのモデルとして活躍する彼女が着こなすドレスの数々は
とても美しくてカッコ良く、そして自分に正直に生きるココの生き様を表現していました(^^ゞ
また、ストラヴィンスキーを演じたマッツ・ミケルセンの抑えた演技と表情もとても印象的でした。
全体的に台詞よりも雰囲気で愛を表現していく展開の中で、
二人の絡み合う視線と表情は言葉以上に彼らの情熱を伝えてくれました。
正直、妻の前で夫を奪いながらも良心は咎めないと宣言するココの強さにはビックリしましたけど
自立した彼女の愛が一人の音楽家の才能を救ったのだなあと実感した1本です。
監督:ヤン・クーネン 出演:アナ・ムグラリス マッツ・ミケルセン エレーナ・モロゾーワ
2009年 フランス 原題:COCO CHANEL & IGOR STRAVINSKY
(20100107)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は1月16日以降の予定です。