突然、南アフリカの上空に現れた巨大な宇宙船はエイリアンの難民であふれていた。
世界は宇宙船の故障により旅立つことが出来なくなったエイリアンたちを受け入れ、
南アフリカの“第9地区”に隔離した。
それから28年が過ぎ、現在の“第9地区”はスラム化して治安は悪化の一途をたどっていた。
世界はエイリアンたちの排除を求める世論に対応するように、超国家機関MNUを使って
用意された第10地区への強制移住を始めた。
この作戦のリーダーに抜擢されたヴィカス(シャールト・コプリー)は、初めての大役に張り切っていた。
武装した兵士たちと共にエイリアンたちの家を訪ね、退去の書類にサインを貰う作業を続ける中で
彼はエイリアンたちが違法に隠した武器を見つけては、お手柄だと笑顔を見せていた。
だが、彼が見知らぬ液体を誤って顔に噴射した後、身体に異変がおき始めてしまった…
予想以上に戦いのシーンがグロくてキツかったです(^_^;)
人間社会の中で蔑視されているエイリアンたちと、
彼らに近付かざるを得なくなった一人の男の行動を描いたSFです。
最初、インタビューやニュース形式で映像が始まった時から
エイリアンと人間の間に何が起こるのだろうと目が離せなくなりました。
でも、グロかったです~
戦いが始まると腕はもがれるし、首は飛ぶし、それに強力な武器を前にしたら人なんて一瞬で粉々です。
きっとホラーに慣れている人なら、笑っちゃうくらいのシーンなのだろうなあと思いながら
時々、目を覆ってました(^_^;)
しかも、分かっていたのですけどエイリアンが可愛くなかったです(T_T)
そして、エイリアン以上に登場する人間たちが好きになれない人物ばかり。
主人公のヴィカスをはじめとして、みんなエイリアンたちに差別意識を持っています。
その心の醜さが観ていて辛かったです~
ただし、後半になってエイリアンの“クリストファー”が登場した辺りから面白くなってきました。
クリストファーの目的と彼の息子への愛は、それまでの荒んだ人間やエイリアンたちとは違って
つい応援したくなります。
そんなクリストファーとヴィカスの行動は観ていて面白かったです。
それにしても、ゴミ貯めのようなスラムが映画にしっくりと似合い過ぎていて怖かったです。
そんなスラムとエイリアンと差別が一緒に描かれる展開は興味深かったです。
観る前は何でこの作品がアカデミー賞??と思っていたのですけど、
このアイディアこそがアカデミー賞なのかなあと感じました。
観終った時、めちゃくちゃ疲れていて、ちょっとため息をついてしまった1本です(^_^;)
監督:ニール・ブロンカンプ 出演:シャールト・コプリー デヴィッド・ジェームズ ヴァネッサ・ハイウッド
2009年 アメリカ/ニュージーランド 原題:DISTRICT 9
(20100411)