阪本順治監督&香取慎吾さん主演の“座頭市”です。
ここ最近の北野武監督作「座頭市」や綾瀬はるかさん主演「ICHI」は観ているのですけど、
実は勝新太郎さんの名シリーズは未見です(^^ゞ
今回はどんな座頭市を見せてくれるのかなあと思いながらチャレンジしてみました~
ヤクザで多くの人を殺めてきた市(香取慎吾)。
そんな彼が一人の女性と生きるために刀を捨てようとしていた。
彼の想い人タネ(石原さとみ)に結婚を申し込むと、彼女は涙を浮かべながら承諾してくれたのだ。
そして旅立ちの時、決着をつけようと追って来た男たちを前に最後の闘いに臨んだ市は
怪我を負いながらも何とか敵を倒すことが出来た。
そんな疲れ果てた市を偶然見かけた旅支度の男が、
彼を倒して名を上げろと、連れの気の弱そうな若者をそそのかす。
だが、その小心者の若者が刀で貫いたのは、市に駆け寄ってきたタネの身体だった…
絵と音楽が綺麗だなあと感じる作品でした~
一枚の絵のような竹林の風景で始まる物語です。
このカットから始まるシークエンスと、ドーンと流れる“プロジェクト和豪”のテーマ曲を聞いた時、
この映画にすーっと入ってしまいました。
元々、西部劇と時代劇はあまり観ない方なのです。
そして、この作品はそんな人でも観られるように創ってあるのだなあと感じました(^^ゞ
でも、繰り返し出てくるのは死や滅びです。
幸せになろうとした矢先の妻の死。
希望の無いまま必死に歩き、妻と一緒に暮らしたいと思っていた故郷の村へ向かっても、
そこは滅びてます。
ようやくたどり着いた海沿いの村で、彼は静かに生きる道を手に入れようとします。
刀を置いて農民になり、村に溶け込んで生きようと試みます。
でも、利権を貪る天道(仲代達矢)によって、村人たちが生きる道を絶たれようとした時、
彼は再び刀を取ってしまいます。
それはもう安らぎへは帰ることの出来ない人生への出立でした。
それにしても、やっぱり日本映画ですね~
四季折々の美しい風景が織り込まれていて、それだけでちょっと嬉しかったです。
そんな中で繰り広げられている人間模様も、時には影絵のように綺麗に映し出されていて
悲しみが静かに伝わってきました。
特に市を心から心配するミツを演じた倍賞千恵子さんの演技が素晴らしくて、
もしかしたら、市はこの人のために闘おうとしたのかなあと思いながら観ていました。
また、強敵・天道を演じた仲代達矢さんの存在感は圧倒的でさすがで、とっても憎らしかったです(^^ゞ
観終った時、やっぱり印象に残ったのはアクションよりも悲しみの感情と静けさでした。
この作品は情景を感じる作品だったのだなあとちょっと感じた1本です。
監督:阪本順治 出演:香取慎吾 石原さとみ 反町隆史 倍賞千恵子 加藤清史郎 仲代達矢
2010年 日本
(20100529)
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