「大脱走」
1944年にドイツ軍の空軍捕虜収容所で実際に起きた史実を元に製作された作品です。
昔、テレビで観ただけなので、あらすじとあのテーマ曲しか覚えていませんでした。
今回、午前十時の映画祭のラインナップを観た時、この作品は観る!と心に決めていました(^^ゞ
テレビで観た時はこの物語が史実に基いているとは知らなかったので、
結末にとてもショックを受けてしまいました(^_^;)
改めて見直すと、まず、敵同士ながらもドイツ空軍大佐の所長と
英国空軍を中心とする捕虜の代表将校が互いを認め合っている様子が印象的でした。
そして、脱走自体にドイツ軍をかく乱させるという目的があったことや
穴を掘って脱出するという手がよく使われていたことも改めて知りました。
それぞれの男たちが生き生きと描かれているのが本当に良いですね。
作戦自体も丁寧に描かれていて、飽きることはありません。
173分の時間があっという間に過ぎていきました。
そして、悲しい結果を知った後に登場するスティーブ・マックイーンのかっこ良さは抜群です。
彼の登場で、また未来に希望が持てるような余韻を残していきます。
観終った時、本当に名作だなあと胸がいっぱいになった1本です(^^)
監督:ジョン・スタージェス 出演:スティーブ・マックイーン リチャード・アッテンボロー ジェームズ・ガーナー ジェームズ・ドナルド ドナルド・プレザンス チャールズ・ブロンソン ジェームズ・コバーン ジョン・レイトン デヴィッド・マッカラム
1968年 原題:THE GREAT ESCAPE
「パピヨン」
1931年に無実の罪で終身刑となったアンリ・シャリエールの伝記小説を映画化した作品です。
南米ギアナにある脱出不可能な刑務所から脱獄した男の実話とだけ聞いてチャレンジしてみました。
刑務所のあまりの過酷な状況にこれが実話なの!?とショックを受けながら観ていました。
無実なのに殺人罪とされ、フランスからフランス領の南米ギアナのデビルズ島へ送られた男の物語です。
パピオンとは主人公が胸に蝶の刺青をしていたことから付けられた呼び名のことです。
彼は同じく南米ギアナ送りにされた偽造屋ルイ・ドガ(ダスティン・ホフマン)に目を付け親しくなります。
刑務所でも金は物を言うからです。
その後、二人の間に利害以上の信頼関係を築き上げます。
ちょっと鈍いところのあるルイ・ドガのために幾度か危機に陥っても、パピオンは耐え抜いています。
パニオンは脱獄を3度行います。そして、失敗するたびに独房入りになります。
この独房生活が本当に過酷です。
最初に所長が“更生させるのではなく心身ともに壊すために入れる”みたいなことを言うのですけど、
本当に人間を壊すためにある場所でした。
独房から出ることも言葉を発することも許されず、ひたすら閉じ込められるのです。
さらに追加された罰で光を遮られて食事を半分にされたパピオンは、
虫などあらゆるものを食べてしのいでいきます。
この過酷な場所を2度経験し、それでも命がけで脱出した不屈の精神には深い感慨を覚えました。
そして、この役が似合うのはスティーブ・マックイーンしかいないなあとしみじみ感じました。
エンドロールで映し出されていた実在の刑務所の跡を観て、人権が無い怖さを改めて感じた1本です。
監督:フランクリン・J・シャフナー 出演:スティーブ・マックイーン ダスティン・ホフマン ドン・ゴードン ヴィクター・ジョリー
1973年 フランス/アメリカ 原題: PAPILLON