プリンスエドワード島へやって来た11歳の少女アン(山田栄子)は、
汽車での旅の末に目的地の駅へ着いた。
連れて来てくれた婦人と別れ、駅のプラットホームの端でひとり迎えを待つ彼女の瞳には
満開に咲く美しい桜の木が映っていた。
今日、彼女は孤児院から引き取り手のカスバート家へとやって来たのだ。
しばらく待っていると、一人の老人マシュー・カスバート(槐柳二)が駅に着いた。
彼は今日、孤児院から到着する男の子を迎えに来たのだ。
マシューはアンを目に留めるが、汽車を待っているかのように駅のベンチに座ると懐中時計を見た。
だが、時計は止まったままだ。
それに気付いたマシューが慌てて駅長室へ向かうと、駅長はもう30分以上も前に汽車は来たと告げた。
そして彼はマシューに、迎えを待っているのはそこにいるアンだ言って去って行ってしまった…
アンの前向きなパワーに元気をもらいました(^^ゞ
11歳になったばかりの少女アンが自分の家と呼べる場所を手に入れるまでの物語です。
「赤毛のアン」は子供の頃に毎週テレビで楽しみに観ていた作品でした。
当時、アンはなんて早口なのだろうとビックリした覚えがあります。
あの怒涛の早口とイマジネーションの豊かさには随分と魅せられました。
その魅力は30年が過ぎても変わらなかったです。
もちろん、アニメーションの技術的なものは今とは全く違います。
でも、アンがマシューやマリラと交わす会話の楽しさや表情の豊かさはやっぱり魅力的ですね。
特にアンが考える顔つきをする時の静けさには、今でもドキッとさせられました。
そして最初に見た時と同じく、11歳の少女にこんな表情をさせる運命とは何だろうと考えさせられました。
原作を読んでTVシリーズも観ている私には、彼女にどんな運命が待っているか、
そしてどんな人生を送るかを知っています。
それでも、アンが最初に人を信頼して心から自分の居場所を求めている姿を観ると、
彼女と一緒になって切なくなってしまいました。
そんなアンがマシューやマリラの素朴な温かさに触れて喜びを溢れさせるシーンには本当に胸に来ました~
アンの強さと優しさ、何と言っても前向きな精神は何歳になっても見習いたいものです。
今日、改めて観て、また原作を手にとってみようかなあ…とちょっと思ってしまった1本です(^^ゞ
監督:高畑勲 声の出演:山田栄子 北原文枝 槐柳二
2010年 日本
(20100812)
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