現代から約300年前の江戸時代では、若い男性ばかりが罹る疫病により、男性が女性の1/4まで減少してしまっていた。
女性は子供を生むために男性を求め、吉原は着飾った男性に女性が群がるような世界だった。
貧乏旗本の一人息子・水野祐之進(二宮和也)は武士の誇りを持って剣術の鍛錬を勤しんでいたが
19歳になった今年はそろそろ身の振り方を考えなければと思っていた。
幼馴染で大店の一人娘・お信(堀北真希)は自分に好意を持ってくれているが、身分違いの恋はかなう訳もない。
祐之進は彼女の恋心をはぐらかしつつ、自分の恋心も笑顔の裏で押し殺していた。
そんなある日、母が持ってきた縁談を断った祐之進は、親孝行のために大奥へ上がる決意をする。
自分が大奥へ上がれば口減らしになった上に仕送りも出来る。貧乏な家にはとても助かる話なのだ。
そして、それはお信への想いを断ち切るための唯一の道でもあった…
煌びやかな世界には欲望と陰謀が渦巻いていました。
大奥へ上がることになった水野祐之進を中心に、男女が逆転した大奥の物語を描いています。
水野祐之進は大奥へ上がると同時に祐之進という名を捨て“水野”という名で呼ばれるようになりました。
もともと、彼は将軍には会うことのない“お目見え以下”で働く身分でしたが、
剣の腕を見込まれ試合に勝つことにより大奥総取締の藤波(佐々木蔵之介)の目に留まり昇進していきます。
そんな時、まだ幼かった将軍家継が病で亡くなり、紀州から吉宗(柴咲コウ)が将軍としてやって来ました。
彼女は財政難の幕府を建て直し、より良い政治を行ないたいと考えていました。
ただし、質素を好むとは言え大人の女性です。
大奥の出番がやってくるとばかり、大奥の男たちは色めきます。
そして、将軍のお目見えの前に、水野は更なる昇進を果たします。
純粋な水野はそれを喜ぶのですけど、実はその裏には陰謀が進行していました。
それにしても、役者が揃っていましたね~
みんな美男揃いで、男女が逆転した世界の大奥なのにあまり違和感が無かったです(^^ゞ
そして、何と言っても貧乏旗本の武士を演じた二宮和也さんの気風のいい演技と
意志が強くて真っ直ぐに改革を進めていく吉宗を演じた柴咲コウさんのオーラのある演技が気持ち良かったです。
二人の存在感はドロドロの世界の中で一筋の明るい光のように見えました(^^)
観終わった時、陰謀があれだけ渦巻いていたのに、爽やかな余韻を感じていました。
これは政治にも陰謀にも潰されなかった純粋な初恋の話なのですよね。
エンディングに流れる嵐の主題歌を聞きながら、
こんな将軍だったら良い世界が作れるのかなあとちょっと感じた1本です
監督:金子文紀 出演:二宮和也 柴咲コウ 堀北真希 阿部サダヲ 佐々木蔵之介 玉木宏 大倉忠義 中村蒼 和久井映見 板谷由夏
2010年 日本
(20101010)
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