約40年前のある暖かい日の昼下がり。ジャックはリビングのテレビでゴルフトーナメントを観戦していた。
妻マデリンはまだ乳幼児の娘を昼寝させようと、2階の寝室へ連れて行ったが、
突然リビングへ下りて来ると、もう耐えられないと言い始めた。
家を出て行きたいと重ねて告げる妻の言葉を聞いたジャックは、怒りのあまり2階へ駆け上がり、
窓の網戸を外へ落とすと小さな娘の身体を抱いて、出て行ったらこの窓から落とすと妻を脅した。
激情に駆られた夫の行動を恐れたマデリンは、家出を取り辞めた。
そして40年以上が過ぎ去った…
音の迷路に引き込まれて、取り残されてしまいました~
二つの夫婦の物語です。
一組は40数年の結婚生活を送り、定年間近を迎えているジャックと妻マデリン。
もう一組は9年前に結婚するも、そのうち8年間を刑務所で過ごして来たストーンと妻ルセッタ。
それぞれをロバート・デ・ニーロ&フランセス・コンロイ、エドワード・ノートン&ミラ・ジョヴォヴィッチのペアで演じています。
ジャック(ロバート・デ・ニーロ)の仕事は仮釈放管理官。刑務所で刑期終了が近くなった受刑者たちを面談して行きます。
受刑者たちはみんな早く刑務所を出たいと願っていて、仮釈放のためには作り話などお手のもの。
仮釈放管理官は彼らの嘘を見抜き、正確なレポートを作ろうとします。
そんな中、ジャックはストーン(エドワード・ノートン)を面談します。
いい顔を見せようとする受刑者が多い中で、ストーンは反抗的な態度を隠さない、扱いにくい男でした。
ストーンは、自分はもう8年もここにいるのだから外に出る資格があると訴えます。
その自分本位な態度に不信感を持ったジャックは、ストーンの言葉を無表情で受け止めます。
そんなジャックの態度にストーンは何とかジャックをやり込めようと画策を始めます。
それは妻ルセッタ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)にジャックを誘惑させることでした。
それにしても、エドワード・ノートンは怪しい役をやらせると本当に上手いですね~
自分本位でありながら、どんどん音の宗教らしきものに嵌っていく姿が似合っていました。
いつもしかめっ面をしているロバート・デ・ニーロはジャックそのものです。
そして、コケティッシュで甘え上手な悪女を演じていたミラ・ジョヴォヴィッチもぴったりですね。
どんなに堅物なジャックも彼女を前にしたら簡単に落ちてしまいます。
そのジャックのにんまりした表情の変化も妙に可笑しかったです。
物語はサスペンスから段々とファンタジーっぽくなって行きます。
そして、音の悟りみたいなものが登場すると、かなり置いてきぼりになってしまいました(^^ゞ
観終わった時、開口一番に“これは何だったの?”とつぶやいてしまった1本です。
監督:ジョン・カラン 出演:ロバート・デ・ニーロ エドワード・ノートン ミラ・ジョヴォヴィッチ フランセス・コンロイ
2010年 アメリカ 原題:STONE
(20101026)
→
公式サイトはこちらへ追伸
この映画は試写会で観ました。公開は10月30日以降の予定です。