カレン(アネット・ベニング)は年老いた母を介護しながら、日々を淡々と過ごしていた。
彼女には14歳の時に出産の経験があるが、その子供は生まれた日に養子に出され一度も会っていない。
それでも、カレンがその子を忘れることは無かった。
そして、日々、まだ知らぬ娘宛に手紙のような日記を書き続けていた。
一方、37年前に生まれた娘エリザベス(ナオミ・ワッツ)は有能な弁護士として
事務所を転々としながら仕事のキャリアを積んでいた。
仕事一筋の彼女には結婚願望が無く、自分はこのまま一人で生きていきたいと考えている。
ただし、自分の欲望に素直なエリザベスは父のような年齢の上司ポール(サミュエル・L・ジャクソン)を
あっという間に落とし、身体だけの関係と割り切って付き合っていた。
そんな生活を続けていたある日、エリザベスは身体の異変を感じた。
自分に避妊手術を施している彼女は、妊娠はありえないと考えていたが、検査の結果は妊娠だった。
彼女はその事実を誰にも言わないまま、事務所を辞めて行った…
命の繋がりとはなんだろうなあと考えさせられました。
お互いを知らないまま生きた母娘の物語です。
生まれてすぐに引き離されてしまいましたけど、母は娘を忘れたことはありません。
また、娘の方も再会を諦めてはいますけど、折に触れ母への思慕を感じてきました。
母カレンにとって娘は年々歳をとっていきます。
小学生になり、学校を卒業して社会人になり、今では37歳となってどんな人生を歩んでいるかと
いつも幸せな想像をしながら温かい想いを募らせてきました。
でも、何処にいるのか分からず、実際に会うことの出来ない娘を想うことは、彼女に痛みを感じさせることでもあります。
そのためか彼女はとても気難しい性格となり、人を寄せ付けない人間となっていました。
そんな孤独の殻に閉じこもっていた彼女が本当に信頼できる一人の男性と巡りあった時、
娘を探してみようという勇気を持ち始めました。
一方、エリザベスも妊娠をきっかけに、自分を生んだ母への想いが忘れられなくなってきました。
どんな気持ちで14歳で自分を産んだのか、その後どんな人生を歩んできたのか知りたいと感じてきました。
彼女は母を知るための唯一の手段として、養子縁組を斡旋している協会に手紙を託します。
そして、同じ頃、カレンも協会に手紙を託しました。
それにしても、心を揺さぶられる物語でした。
淡々と描かれてはいますけど、その分、主演の二人の演技が際立っていました。
特にアネット・ベニングの気難しいカレンを演じた表情やその後の幸せそうな笑顔には
彼女が幸せを感じられるようになって本当に良かったと思うと共に、運命の辛さを感じました。
それにしても、心を揺さぶられる物語でした。
淡々と描かれてはいますけど、その分、主演の二人の演技が際立っていました。
特にアネット・ベニングの気難しいカレンを演じた表情やその後の幸せそうな笑顔には
彼女が幸せを感じられるようになって本当に良かったと思うと共に、運命の辛さを感じました。
観終わった時、いろいろな想いが頭を過ぎりました。
小さな命がカレンに与えた救いに静かな感動を覚えた1本です。
監督:ロドリゴ・ガルシア 出演:アネット・ベニング ナオミ・ワッツ サミュエル・L・ジャクソン ケリー・ワシントン ジミー・スミッツ
2009年 アメリカ 原題:MOTHER AND CHILD
(20110128)
→公式サイトはこちらへ http://aisuru-hito.com/index.html