14歳の少女マティ(ヘイリー・スタインフェルド)は母親の代理で遺体安置所へ来ていた。
牧場主だった父が使用人として雇っていたチェイニー(ジョシュ・ブローリン)に撃ち殺されたのだ。
彼は父に命じられた用をせずに博打で金を私用に使い、挙句の果てに父を殺して金貨と馬を盗んでいた。
彼女は付き添いの使用人を家へ帰すと、父に馬を売った商人のもとへと向かった。
彼女は大人顔負けの交渉術と14歳の少女という立場を訴え、何とか金を返してもらう約束を取ると、
チェイニーを復讐するために保安官を雇おうと考える。
処刑場まで赴いて、その場に居た保安官に自分の立場と目的を話すと
彼は3人の連邦保安官を紹介した。
3人の人物説明を聞いたマティは、中でも“真の勇気(トゥルー・グリット)”を持つと言われた
ルースター・コグバーン(ジェフ・ブリッジス)を雇う決心をした…
14歳の少女の真っ直ぐな強さに、勇気のパワーを感じました。
少女マティの復讐と、彼女と行動を共にする男たちの姿を描いた西部劇です。
彼女は父の敵をとるために、自分の出来る限りの力を使って前へ進もうとします。
もちろん、一人の悪人を捕らえるには自分ひとりの力では無理です。
彼女は自分の知恵を振り絞って、やり手の商売人と対等に交渉し、自分の目的に必要な金を得ます。
いつの時代も金があればより強くなることが出来ます。
資金を得た彼女は酒好きだけど腕の良いルースター・コグバーンを雇いました。
そんな彼女の前には、やはりチェイニーを追いかけていた
テキサス・レンジャーのラビーフ(マット・デイモン)が現れます。
彼女は自分の州で裁きたいという意志を貫くために彼の強力を拒みますが、
ルースターとチェイニーはいつの間にか協定を結んで、彼女を置き去りにしようとします。
彼らにとっては14歳の少女など足手まといなのです。
でも、彼女はそんな制止をものともせずに、ルースターに彼女なりの勇気を見せ、彼の心を動かします。
そして、3人による荒野の追走が始まりました。
それにしても、真っ直ぐな作品でした。
少女マティの心も、彼女を助けようとするルースターも、そして自分の力を信じるラビーフも
彼女に引きずられるように、真っ直ぐに進んでいきます。
特に大人たちが揺らいでいる中でも、敵討ちという目的を見失わなかったマティの強さには
大人未満という少女ならではの心の強さを感じました。
そして、ヘイリー・スタインフェルドの演じたマティのストレートなパワーには
観ている方もすっかり引き込まれてしまいました(^^ゞ
3人の力が一つになった時、彼らは目的を達成させると共に、それぞれに傷を負いました。
この旅が3人の人生をどれだけ大きく左右したのだろうと考えると同時に、
それでもマティはきっと後悔せずに、彼女の人生を真っ直ぐに歩んで行ったのだろうなと感じた1本です。
監督:ジョエル・コーエン イーサン・コーエン 出演:ヘイリー・スタインフェルド ジェフ・ブリッジス マット・デイモン ジョシュ・ブローリン バリー・ペッパー
2010年 アメリカ 原題:TRUE GRIT
(20110321)
→公式サイトはこちらへ http://www.truegrit.jp/