15歳のシェリー・カーリー(ダコタ・ファニング)は双子の姉マリーと一緒にいた。
マリーの付き合っている大人のボーイフレンドが車で遊びに連れて行ってくれるのだ。
二人の母親は離婚して彼女たちを育ててくれているが、仕事に加えて自分の恋にも忙しく、
二人に対して十分に目を掛けられていなかった。
ある日、シェリーは学校の出し物に、派手な化粧でボウイの歌を披露した。
歌自体は口パクだったが、挑発的なダンスと態度は賛否両論を巻き起こしながら高評価を受けた。
ある時、クラブの片隅にいる彼女を見かけた音楽プロデューサーのキム・フォーリー(マイケル・シャノン)は
彼女の表情や佇まいを一目見て気に入る。
ちょうどガールズロックバンドを立ち上げようとしていた彼は、彼女に声を掛けると
早速、練習に来るように話をつけた。
そして、シェリーはバンドのボーカリストになった…
予想よりも生々しい彼女たちの姿が印象的でした。
1975年から1979年の4年間で活動を終えたロックバンドの物語です。
デュー当時は平均年齢16歳ということなので、少女たちのバンドですね。
当時の歌を聴いていると、保守的な時代に生まれてしまったことでストレスを感じている彼女たちの
行く当てのないエネルギーがロックという音楽に込められているようでした。
怖いなあと思ったのが、デビューするとすぐに自立しなくてはならないこと。
車での地方周りには運転手の男性が一人ついていますけど、基本的には彼女たちが
自分で自分たちの面倒を見なくてはならない状況に置かれます。
大人ならともかくとして、15.・6歳の子供にはどうなのだろうとちょっと考えてしまいました。
バンド自体はギターのジョーン・ジェット(クリステン・スチュワート)がリーダー格になっていて、
プロデューサーのキムとの連絡も彼女の役目です。
そこは頑張っているようでした。
でも、どんなにしっかりしていても、大人ぶっていても、やっぱり10代の少女たちです。
すぐに薬やアルコールや性の誘惑に落ちていきます。
なにせ監督する大人はいないのです。自分たちの好きなように時間をすごしていしまいます。
以前から音楽の世界を知っていて、バンドが命というジョーンはまだ遊びの加減も知ってそうでしたけど、
突然にこの世界に引き込まれたシェリーは家族から離れた不安もあって、
すぐにボロボロになっていきました(T_T)
それにしても、ダコタ・ファニングは美しくなりましたね~
お化粧をした時の表情が本当にきれいで、一気に大人になった感じです。
でも、化粧を落とした無邪気な表情はまだ少女という感じがして、役もますます広がったなと感じました。
これからがますます楽しみな女優さんですね。
また、クールなクリステン・スチュワートにロックが妙に似合っていてカッコ良かったです。
全体的に生々しく感じながらも、それぞれのシーンが汚れすぎていなかったのは
この二人が出演したからこその美しさだったのかなと感じました。
私は知らなかったのですけど、日本ではとても人気のあったバンドなのですね。
日本のシーンはちょっと笑ってしまいました(^^ゞ
それでも、エンドロールの最後の曲まで堪能できた1本です。
監督:フローリア・シジスモンディ 出演:クリステン・スチュワート ダコタ・ファニング マイケル・シャノン ステラ・メイヴ
2010年 アメリカ 原題:THE RUNAWAYS
(20110420)
→公式サイトはこちらへ http://www.runaways.jp/