ニナ(ナタリー・ポートマン)は真面目で努力家のバレリーナ。
彼女は技術は高いが表現力が乏しく魅力に欠けるといつも言われている。
そのためか、あまり大きな役を貰ったことはなかった。
ある日、バレエ団で新しい振り付けの「白鳥の湖」を公演することが決まった。
しかも、芸術監督のトーマス・ルロイ(ヴァンサン・カッセル)は
これまで主演を演じていたベス(ウィノナ・ライダー)を降ろして新たにプリマを選び、
バレエ団を盛り上げたいと考えていた。
プリマ選出のテストを受けたニナはルロイから、白鳥なら君を選ぶが黒鳥は…と言われてしまう。
その言葉に落ち込んだニナだったが、翌日、再考を願いにルロイのもとを訪ねた…
黒鳥のパワーは怖かったです~
バレエダンサーが主演を踊るために自分をどんどん追い詰めていく物語です。
彼女は美しくて正確で、繊細で臆病さも兼ね備えたような踊りをします。
それは白鳥にはぴったりです。
でも、この舞台の主演は白鳥と同時に黒鳥も踊らなくてはなりません。
官能的で迫力と存在感が必要な黒鳥は、今のニナには踊りきることが出来ませんでした。
表現しきれていないニナに対して、ルロイは自分の殻を壊して感情を出せと攻め立てます。
そのための手段も彼は伝えますが、それは愛や男性関係に疎い彼女にとってはとても難しいものでした。
しかも、ルロイを納得させるほどに官能的で魅力的なリリー(ミラ・クニス)が主役の座を脅かし始めます。
いつしかニナはさまざまな幻覚を見始めてしまいます。
それはニナ自身の崩壊の始まりでした。
それにしても、ナタリー・ポートマンは素晴らしかったです~
特にダンスのシーンはここまで踊れたのかと驚くほど美しく踊っていました。
またニナのキャラクターも彼女にはぴったりで、繊細で臆病というニナの脆さを
しっかりと美しく体現していました。
そんなナタリーの演じるニナが怯えながらも踊りにのめり込んでいく様子はとても可哀想で、
ラストには胸が締め付けられました(T_T)
踊り未経験な私には理解できなかった、踊るということの重さと怖さを実感しました。
この映画を観た時の思いとともに、いつかバレエの舞台をきちんと見てみたいなと感じた1本です。
監督:ダーレン・アロノフスキー 出演:ナタリー・ポートマン ヴァンサン・カッセル ミラ・クニス バーバラ・ハーシー ウィノナ・ライダー
2010年 アメリカ 原題:BLACK SWAN
(20110428)
→公式サイトはこちらへ http://movies2.foxjapan.com/blackswan/追伸
この映画は試写会で観ました。公開は5月11日以降の予定です。