やっぱりこの二人の醸し出す雰囲気は心地よかったです~
夫である“ツレ”が突然にうつ病になってしまった一組の夫婦の物語です。
二人はツレ=サラリーマン、妻の“ハルさん”=マンガ家というカップルで、
都心から私鉄で行く郊外の住宅街に住んでいます。
ツレはIT企業のコールセンターの担当として、いつもクレーム処理の電話対応に追われていました。
不景気で人員削減を余儀なくされ、もともとストレスの溜まる業務なのに肉体的にも激務です。
しかも、上司は部下に気遣いなどするような性格ではなく、病気にも理解がありません。
几帳面で真面目なツレは、お弁当を持って家を出たところで立ち止まってしまいます。
ハルさんの勧めで病院へ行ったツレは、そこで典型的なうつ病と診断されました。
ツレにとってもハルさんにとっても、うつ病は初めて出会う謎の病です。
でも、お医者さんいわく“心の風邪”みたいなもので、誰でもかかる病気らしいのです。
今回のうつ病の原因は、どうみても会社です。
ハルさんは「会社を辞めなければ離婚する!」とツレに宣言し、ツレも承諾して退職します。
そこからが、二人とうつ病との長い付き合いの始まりでした。
それにしても、この二人の演じる夫婦は心地良いですね~
うつ病になってジタバタするツレを演じる堺雅人さんと、
そんなツレに寄り添うように、でもマイペースを忘れないハルさんを演じる宮崎あおいさん。
どちらもうつ病に向き合って大変なはずなのですけど、何となくコミカルに感じるのは
この二人のような夫婦ならきっと大丈夫と思わせる安心感があるからかなと思います。
あと、ハルさんのマンガ家としての視点も面白いです。
ところどころで登場するイラストが、とても分かりやすくツレの状態を伝えてくれました。
そして、このイラストで妻としてツレを見る視点もよく解ると同時に、
ハルさんの心の成長も伝わってきたのが面白かったです。
教会で同じ時期に式を挙げた夫婦たちが集まるという、
ちょっと変わった同窓会の二人のシーンには胸を打たれました。
観終わった時、こんな夫婦っていいよなあとしみじみ思った1本です。
監督:佐々部清 出演:宮崎あおい 堺雅人 大杉漣 余貴美子 吹越満 津田寛治
2011年 日本
(20111010)
→
公式サイトはこちらへ http://www.tsureutsu.jp/index.html