さだまさし著の同名小説を岡田将生&榮倉奈々主演で映画化した作品です。
海外の映画祭での受賞で話題になってから、公開を楽しみにしていました。
観始めるとすぐに、主人公たちの哀しみと純粋さに引き込まれていきました。
高校時代に受けた同級生の悪意により心が深く傷ついて壊れてしまった永島杏平(岡田将生)。
それから1年後、ようやく落ち着いてきた杏平は
亡くなった人の荷物を片付ける遺品整理業の仕事に就くことになった。
心配顔の父に送られてやって来た彼は会社に着くと、社長から作業着を与えられる。
何となくぼーっとした雰囲気のまま作業着に着替えた杏平は、リーダーの佐相(原田泰造)や
先輩の久保田ゆき(榮倉奈々)に紹介されてトラックに乗り込むと、初めての現場に入った。
そこは一人暮らしの老人が孤独死で発見されたアパートだった…
様々な感情の中で彼らが見つけた真実は、未来への希望を感じるものでした。
遺品整理業の現場で出会った杏平とゆきの物語です。
彼らはそれぞれに心が壊れてしまうほどの辛い過去を体験しています。
他人を苦手にしていた二人ですけど、互いに感じるものがあった彼らは
不器用ながらも少しずつ打ち解けて行きます。
それは今尚、過去の苦しみに囚われていた二人の心を少しずつ変化させていきました。
それにしても、いろいろと考えさせられる物語でした。
特に杏平が出した、過去に消えてしまった命とは何だったのかという答えには希望が感じられて、
こんなふうに考えられたら心が救われるかもと思いながら観ていました。
それだけに、二人が未来への明るさを取り戻した時に起きた死は観ていて辛かったです(T_T)
それでも尚、未来への笑顔を忘れなかった杏平の姿には勇気付けられました。
そして、そんな彼の発した問いかけに答えた幼い子供の見せた最高の笑顔に
観ている方も心が救われた気がしました。
主演の二人の演技の素晴らしさと共に、未来への希望を失わないことの大切さを実感しました。
観終わった時、私も“元気ですか?”という言葉をいつも心に持っていたいなと思った1本です。
監督:瀬々敬久 出演:岡田将生 榮倉奈々 原田泰造 松坂桃李 染谷将太 檀れい 柄本明
2011年 日本
(20111204)
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公式サイトはこちらへ http://antoki.jp/index.html