メルボルンに実在した犯罪一家をモデルに創り上げたサスペンスです。
表情を抑えたような主人公の少年が登場する予告編が気になっていました。
少年を追い詰めていく運命に何とも言えない胸の痛みを感じるような作品でした。
少年の持つ雰囲気がガラリと変わってしまいました(T_T)
少年ジョシュアの母の死から始まる物語です。
彼は、見た目は大きいのですけど、まだ17歳の高校生です。
眠っている母とジョシュアの隣にはソファーに並んでテレビを見ています。
でも、実は母はドラッグの過剰摂取で意識が無く、救急隊が到着するのを待っているところでした。
そして、母はあっけなく死亡してしまいました。
母と二人暮らしだったジョシュアは孤独になります。
でも、まだ少年の彼には動けないことが多くて葬式の準備などに困り、
母が連絡を絶っていた祖母ジャニーン(ジャッキー・ウィーヴァー)に電話を入れます。
祖母はすぐに駆けつけてくれ、彼を優しく抱きしめると自分の家へ引き取ってくれました。
その時は普通の優しい祖母に見えましたが、
実は母の実家は全員が犯罪で生計を立てているような犯罪一家でした。
母はその恐怖のために家を出ていたのです。
寄る辺の無いジョシュアはすべての運命を受け入れるように、静かにその家で暮らし始めます。
でも、伯父ポープ(ベン・メンデルソーン)が復讐に駆られて行動を起こした時、
ジョシュアも逃れることの出来ない運命の罠にかかって行きました。
それにしても、何とも哀しい物語でした。
母が死ななければ、せめてジョシュアが高校を卒業するまで生きていれば、
彼の運命は違っていたのかも知れません。
でも、彼は祖母の一家に引き取られていき、そこで大きく運命を狂わされます。
そして、彼が自分の心を決めて行動を起こした時、彼はもう少年の顔をしてはいませんでした(T_T)
先月に観た『
ヒミズ』もそうですけど、子供というものは家庭によって
強制的に運命を変えられてしまうのだなと感じました。
ジョシュアの未来には何が待っているのだろうかと胸が痛くなった1本です。
監督:デヴィッド・ミショッド 出演:ジェームズ・フレッシュヴィル ジャッキー・ウィーヴァー ベン・メンデルソーン ルーク・フォード ジョエル・エドガートン ガイ・ピアース
2010年 オーストラリア 原題:ANIMAL KINGDOM
(20120128)
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