いくつになっても、夫婦の絆には悩まされるものなのねと思いながら観ていました。
ロンドンを拠点に活躍している建築家の夫アダム(ウィリアム・ハート)が長年の功績で表彰をされた日、
メアリー(イザベラ・ロッセリーニ)は自分の記憶が不安定なことに気付きます。
病院で検査しても病気は見つからなかったのですけど、ふと自分が年老いてきていることを悟ったのです。
出張の多い夫の影で3人の子供を育て上げた彼女は、
検査後に医者から勧められた運動やボランティア活動に興味を持ちます。
でも、いざその場へ行ってみると、やはり自分の年齢を思い知らされることばかり。
段々と苛立ちが募る一方、開き直って老眼用の電話機やバリアフリー用の手すりなど
老後への準備を始めなくちゃと極端な行動に出てしまいます。
一方の夫アダムは建築事務所の方針で老人ホームの設計に取り組み始めますけど乗り気になれません。
しかも、事務所の若者グループは美術館設計のコンペにチャレンジしたいと動いています。
若者グループに共感したアダムは、昼間は老人ホーム、夜は美術館と二束のわらじで働き始めます。
そんなふうに仕事で頭がいっぱいになっている時に、妻の不安定な心を支えることなど出来ません。
次第に妻の居る家が居心地悪くなってきたアダムは事務所で寝泊りし始めます。
そして、とうとう二人の間に離婚の危機が迫ってきました(T_T)
それにしても、とても分かるなあと感じるような作品でした。
こういう年頃の不安定さは世界共通なのかも知れませんね。
つい自分は若いと思っていても、世間はそうは見てくれません。
そのギャップに悩んだり寂しく思ったりするのは、何歳でもありえるなあと思ってしまいました。
そして、そんな二人の愛の行方をちょっとドキドキしながら観ていました(^^ゞ
子供たちも大人なので、いろいろあっても全体的には落ち着いた雰囲気なのが良かったです。
ラストも何だか大人だなあと笑ってしまった1本です。
監督:ジュリー・ガヴラス 出演:イザベラ・ロッセリーニ ウィリアム・ハート ドリーン・マントル ケイト・アシュフィールド エイダン・マクアードル アルタ・ドブロシ ルーク・トレッダウェイ
2011年 フランス/ベルギー/イギリス 原題:LATE BLOOMERS/TROIS FOIS 20 ANS
(20120318)
→
公式サイトはこちらへ p://saikou-jinsei.com/pc/