作品全体を不安が覆っていました(>_<)
一人の男が悪夢を見たことから精神的に追い詰められていく物語です。
小さな田舎町に暮らすカーティス(マイケル・シャノン)はある朝、悪夢を見ます。
その夢では家の外に居た時に嵐が近付いてきて、色の付いた粘り気のある雨が降ってきます。
そして、いつもは大人しい飼い犬が急に暴れ出し、自分に噛み付いてくる夢です。
しかも、夢で犬に噛まれた痕は目が覚めてからもずっと痛みが残っていました。
そんなカーティスの悪夢は一日だけでは終わりません。
時には親友が、時には妻が自分に襲い掛かろうとします。
その恐ろしさはとても強烈で、次第に睡眠をきちんと取ることが出来なくなってきます。
彼自身、自分の母親が30代で精神的に病んでしまっているという不安から疑心暗鬼になっています。
しかも、全ては夢の中の出来事のはずなのに、現実と同じくらいリアルに感じられるのです。
そして、とうとう彼は現実にも夢の中のような幻覚を見るようになってきてしまいました(T_T)
それにしても、夫婦の絆が試されているような物語でした~
妻に心配をかけさせたくないと、悪夢や自分の状況をひとりで抱え込もうとするカーティス。
そんな夫の様子に只ならぬものを感じ始めて問いただす妻サマンサ(ジェシカ・チャステイン)。
夢に囚われたカーティスはどんどん暴走して勝手にシェルターを作り始めてしまいます。
何も知らされずに起こされた夫の行動に、さすがのサマンサも怒り出しますけど、
それでも彼を見捨てないところは偉いなあと感じました。
もしかしたら、サマンサにとってはカーティスの行動が経済的な崩壊に繫がっていても、
また心の距離を感じても、彼の行動基準が家族を守るためにあることで許せたのでしょうね。
カーティスはひたすら真面目ですし^_^;
そして、そんな状態でも彼と前向きに生きようとするサマンサの姿がちょっと羨ましかったです。
ラスト、ようやくカーティスの恐怖を理解したサマンサとカーティスの表情が印象的でした。
この後、どうなったろうなあとちょっと気になってしまった1本です。
監督:ジェフ・ニコルズ 出演:マイケル・シャノン ジェシカ・チャステイン シェー・ウィガム ケイティ・ミクソン キャシー・ベイカー
2011年 アメリカ 原題:TAKE SHELTER
(20120401)
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公式サイトはこちらへ http://take-shelter-movie.com/