推理小説と詩で有名な作家エドガー・アラン・ポーの死の謎を描いたミステリーです。
ダークな雰囲気が立ち込めている予告編を観た時から、凄そうだなあと気になっていました。
猟奇的な連続殺人事件とポーの恋が織り成す展開に、最後までドキドキな作品でした。
深い心の闇に取り込まれていく物語がとても恐ろしかったです(T_T)
ポーの最後の5日間に何があったのかを、大胆に想像して組み立てたミステリーです。
本が売れずに新聞の記事掲載に収入を頼っているポー(ジョン・キューザック)は
金が無いのにアルコールが手放せない暮らしをしていて、酒場でも嫌われ者です。
ある夜、彼が酒場から追い出された頃。罪の無い母娘が殺されるという痛ましい事件が発生しました。
悲鳴を聞きつけた住民からの通報で警官が駆けつけましたが、部屋からは犯人の姿が消えていました。
不思議だったのは、警官が部屋の前に来た時に、最後の悲鳴が途絶えてドアの鍵が閉められたこと。
犯人は直前まで部屋の中にいたはずなのに、すぐに警官がドアを蹴破った時にはもぬけの殻でした。
唯一の脱出口である窓には釘が打たれて開けられないようになっている密室だったのです。
駆けつけたフィールズ刑事(ルーク・エヴァンス)は母娘の殺され方と部屋の様子から
過去に読んだポーの推理小説を思い出します。
そして、フィールズが窓を調べると、小説と同じような仕掛けが加えられていました。
それにしても、かなり不気味な殺人事件でした(>_<)
遺体は痛々しいし、殺され方も酷いです。正直、直視できないシーンもあったりして…
もちろん、犯人は小説を真似ているのです
でも、途中でポーを良く知る新聞社の編集長が言っていたように、ポーは想像力は豊かなのですけど、
その闇は創造の中だけで実際の性格とはかけ離れているようなのです。
それだけに、彼の愛する恋人が誘拐されてポーに挑戦状が突きつけられた時の
彼の必死な姿には心が痛くなりました。
そして、そんな彼を追い詰めるように次々と殺人を犯していく犯人の歪んだ性格がとても怖かったです。
ポー役のジョン・キューザックと刑事役のルーク・エヴァンスがそれぞれピッタリで
物語と共に彼らの存在感に引き込まれました。
観終った時、久々に重いサスペンスだったなあとちょっと思った1本です。
監督:ジェームズ・マクティーグ 出演:ジョン・キューザック ルーク・エヴァンス アリス・イヴ ブレンダン・グリーソン ケヴィン・マクナリー
2011年 アメリカ 原題:THE RAVEN
(20121014)
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