『ペルセポリス』のマルジャン・サトラピのコミックを実写映画化したラブストーリーです。
昨年の東京国際映画祭の時から気になっていて、ようやく観ることが出来ました。
絵本を読んでいるような美しい映像と、マチュー・アマルリック主演も納得の一筋縄では行かない展開に、
とても切なさを感じるような物語でした。
哀しい恋ほど切なくて美しいものなのねとしみじみ思いました(T_T)
一人のバイオリン弾きの愛と人生を走馬灯のように映し出した物語です。
ナセル・アリ(マチュー・アマルリック)は美しい音色のバイオリンを探していました。
日頃から仲の悪かった妻ファランギース(マリア・デ・メディロス)が喧嘩の挙句に
彼の大切なバイオリンを壊してしまったのです。
そのバイオリン美しいの音色で音楽を奏でることが、彼の唯一の生き甲斐でした。
彼は馴染みの楽器店から遠い地にある骨董屋まで、名器があると聞けば駆けつけて
そのバイオリンを手に入れました。
でも、苦労して手に入れたものも、彼が愛用していた壊れたバイオリンとは比較になりません。
次第に彼の胸に諦めが広がっていきました。
満足にバイオリンを弾くことが出来なくなったナセル・アリは、やがて死ぬことを考え始めます。
愛することの出来なかった妻や落ち着きが無くて困り者の息子とは、もう暮らしてはいけないのです。
そして、一人で部屋にこもり、夢見るように人生を振り返り始めます。
それは哀しくて一生忘れることの出来ない愛の物語でした。
それにしても、切なかったです~
彼の夢のような物語の中では、彼がどうしてそこまでバイオリンにこだわるのかが少しずつ見えてきます。
その真実が明らかになった時、そして彼とは違う人の目で物語を見直した時、
めちゃくちゃ切ない愛の姿がいろいろ見えてきました。
そして、こんなに可愛くて美しい映像なのに、こんなに哀しいラブストーリーになるなんて…と
ちょっと思ってしまいました^_^;
夢と魔法の入り混じったファンタジーのような雰囲気にうっとりしました。
DVDになったら、もう一度、家でじっくりと観たいかもと思った1本です。
監督:マルジャン・サトラピ ヴァンサン・パロノー 出演:マチュー・アマルリック マリア・デ・メディロス ゴルシフテ・ファラハニ イザベラ・ロッセリーニ キアラ・マストロヤンニ
2011年 フランス/ドイツ/ベルギー 原題:POULET AUX PRUNES/CHICKEN WITH PLUMS
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公式サイトはこちらへ http://chicken.gaga.ne.jp/追伸
この映画は試写会で観ました。公開は11月10日以降の予定です。