誰もが破滅へ向かって、狂気に動かされているようでした。
6人の男たちが銀行の地下金庫に眠る金塊を強奪しようとする物語です。
トラック運転手をしている北川(浅野忠信)が大学時代からの友人・幸田(妻夫木聡)をつれて来ました。
幸田は裏社会では名の知れている調達屋で、鍵の開錠も得意でした。
そんな幸田に北川は自分の狙いを話し始めます。
とある銀行の地下金庫に眠っている金の延板を盗み出そうと言うのです。
既に北川は銀行の内部を良く知るシステムエンジニアの野田(桐谷健太)を抱き込んでいて
計画の話も伝わっていました。
北川は幸田に、計画に必要な爆弾を作れる者を知らないかと尋ねます。
ちょうどその頃、偶然にも幸田は以前の仕事で顔を知っていたモモ(チャンミン)を見かけていました。
モモの働いている豆腐屋を訪ねた幸田は彼に話かけます。
何者かに追われているモモも、自分と同じような匂いを感じた幸田に心を動かされていきます。
そして、二人の間に友情が芽生え始めた時、本格的に計画が動き始めました。
それにしても、最初から最後まで緊張感のある物語でした。
仕事に慎重で、いつも厭世的な雰囲気をまとっている幸田。
勢いで大雑把な計画を立てながらも、みんなを動かすパワーのある北川。
金に困って計画に参加した小心者の野田。
暗い過去を持ち、行く場所も無く追い詰められたところを幸田に拾われたモモ。
北川の弟でギャンブルとリストカットから離れられず、いつも破滅を夢見ている春樹(溝端淳平)。
そして、オブザーバーとして参加した元エレベーター会社職員の斉藤(西田敏行)。
この6人の男たちの立てた綿密な計画が、少しずつ狂ってくるところがとてもリアルでした。
そして、幸田が背負っている過去が明らかになった時、彼らの計画の行く末も明らかになって行きました。
最初から最後まで途切れることの無い緊張感に圧倒されました。
久々にカッコいい日本映画のサスペンスを観たなあと思った1本です。
監督:井筒和幸 出演:妻夫木聡 浅野忠信 桐谷健太 溝端淳平 チャンミン 青木崇高 中村ゆり 田口トモロヲ 鶴見辰吾 西田敏行
2012年 日本
(20121124)
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