ヤン・マーテル著の『パイの物語』をアン・リー監督が映画化したファンタジックな作品です。
トラと漂流している予告編を観た時から、一体どうなるのだろうと気になっていました。
美しい映像に魅せられながら、少年パイの冒険に引き込まれていきました。
トラと海の存在感にびっくりでした~
嵐のために難破し、ベンガルトラと太平洋を漂流することになった少年パイの物語です。
インドで動物園を経営する家に生まれたパイは、ちょっと変わった男の子で3つの宗教を信じていました。
最初に知った宗教はヒンドゥ教で、幼い頃からお母さんにお話を聞きながら自然と覚えました。
次に知ったのはキリスト教で、パイはキリスト教の神様が与える人間への愛の形に惹かれました。
最後はイスラム教で、あのお祈りの仕方に惹かれて、自分も額を地につけるようにお祈りをしてみました。
そんなパイは動物にも興味を持って、動物とは心が通じ合うと幼い頃から信じていました。
ある日、飼育員のマネをして大人に無断でベンガルトラに餌を与えようとしたところ、
父に見つかって酷く叱られます。
父はトラのような動物と心が通じ合うことは無いと言い、トラという生き物がどれほど怖いか
生餌を食べる様子を見せて、パイの心にその怖さを刻み込みました。
成長したパイが恋愛もするほど大人に近付いてきた頃、動物園の経営が難しくなってきました。
商才のあったパイの父は、今が動物園経営からの引き時と考え、動物たちを外国へ売ることに決めます。
売った代金でインドからアメリカ大陸へ移住しようと考えたのです。
生まれ育った故郷を離れるのはとても哀しかったですけど、パイの一家は新天地を求め、
大型船に動物たちを乗せて出発しました。
でも、中継地のマニラを出て間も無く、激しい嵐に見舞われてしまいました(>_<)
それにしても、本当に美しい映像ですね~
自然の壮大さや恐ろしさが、美しさと共にスクリーンから伝わって来ました。
また、動物たちのリアルさにもびっくりしました。
どこまでがCGかは分かりませんけど、本当に少年とトラが一緒に旅をしているように見えました。
そして、パイの体験する多くの試練や感情を一緒に体感したように感じました(^^ゞ
どんな宗教も受け入れていくパイだからこそ、最後までトラと一緒に旅をして来られたのかなと感じました。
観終った時、トラの後姿が神々しく見えたなあとちょっと思った1本です。
監督:アン・リー 出演:スラージ・シャルマ イルファン・カーン アディル・フセイン タブー レイフ・スポール
2012年 アメリカ 原題:LIFE OF PI
(20130128)
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公式サイトはこちらへ http://www.foxmovies.jp/lifeofpi/