ロバート・ブロック著の同名小説をヒッチコック監督が映画化したサスペンスです。
今まで未見だったのですけど、先日に観た『
ヒッチコック』に登場する映画だけに気になってしまいました。
出だしから流れる音楽がとても緊張感をもたらす作品でした。
モノクロ映画の女優さんは美しいなあ思いながら観ていました(^^ゞ
昼下がりの情事から始まる物語です。
マリオン(ジャネット・リー)は不動産会社の事務として働いてきた真面目な女性です。
でも、今は恋人サム(ジョン・ギャヴィン)を前に、一途に恋する女になっていました。
そして、もちろんサムも彼女のことを愛していました。
ただし、彼には離婚歴があって養育費を払っている上に、父親の借金を背負っている身だったのです。
彼はその事情を話しながら、養育費を支払い終わるまで結婚せずに今のままでいようと彼女に言います。
そんな彼にマリオンは、貧しい生活でも構わないから結婚したいと強く訴え、
昼休みが終わるからとその日は職場へ戻りました。
マリオンが席について間も無く、社長が客の男と帰社して来ました。
その男は結婚式を控える娘のための家を購入しに来たのです。
しかも金持ちである彼は多額の現金を持ち歩いていて、即金で支払おうとしていました。
不幸を金で追い払うと傲慢に言い放つ彼に、マリオンは引きつった笑顔しか返せません。
そして、社長はマリオンに彼の金を銀行に預けに行くように言い付けました。
それにしても、シンプルなのに怖い話ですね。
たまたま大金を預けられた女性が、つい出来心で持ち逃げします。
その逃避行の末に、たまたま立ち寄ったモーテルの主人が連続殺人犯だったのです。
罪を反省して家へ戻ろうとした彼女の末路があまりにも気の毒で怖かったです。
そして、これが現実の事件を基にしているという事実に、さらに怖くなってしまいました(T_T)
モノクロの中に映し出される女優さんの美しさと犯人役の瞳の怖さが何とも言えませんでした。
観終った時、これが監督と妻アルマとの二人三脚で生まれた作品なのねとしみじみ思った1本です。
監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演:アンソニー・パーキンス ジャネット・リー
1960年 アメリカ 原題:Psycho
(20130504)