まるで一昔前にタイムトリップしたような気がしました~
双子の兄弟の再会から起きる物語です。
アグスティン(ヴィゴ・モーテンセン)は都会ブエノスアイレスで働く医師で、
妻クラウディア(ソレダ・ビジャミル)の持つ高級アパートに暮らしています。
結婚して8年が過ぎ、子供が欲しいクラウディアは養子を取ろうと計画していました。
でも、養子にする予定の赤ちゃんに会いに行ってしばらくして、アグスティンが止めようと言います。
今更、自分は父親向きではないと言い始めるアグスティンに彼女は怒りをぶつけます。
その怒りに傷付いた彼は仕事も行かず、そのまま部屋に引き篭もりになってしまいました(-_-)
顔を合わさない数日が過ぎて、クラウディアは仕事で出張に出てしまいました。
そんな時、アグスティンの双子の兄ペドロ(ヴィゴ・モーテンセン)が彼を訪ねて来ます。
母の葬式にも顔を見せなかった兄に、アグスティンは怒りをぶつけますが、
理由を聞くとその怒りも消えてしまいます。
実はペドロは末期がんだったのです。
苦しくて仕方が無いので殺すか薬を処方して欲しいという兄を、とりあえず休ませます。
でも、ペドロがバスに浸かっている時、アグスティンは兄を溺死させてしまいます。
そして、遺体をそのまま放置すると、自分はペドロの服装と荷物を持って、
兄が住んでいた故郷へと向かいました。
それにしても、こんな人生は嫌だなあと思うような展開でした。
どこまで兄が本気だったかは分かりませんけれど、本人の願ったとおり殺した弟は、
自分が兄の身代わりになって故郷に乗り込みます。
その幼い頃の思い出の場所はデルタ地帯で、川とジャングルしかありません。
交通は川と船で、隙間風がすぐに入って来そうな木造の壁とトタン屋根というような家が
点々としている地域です。
当然ながらアグスティンの演じるペドロは、どこかに違和感が出てしまっています。
医師と養蜂家の違いというよりも、持って生まれた性格の違いです。
でも、彼はそのまま全てを捨ててペドロになろうとします。
それは彼にとっては、心から愛する者との出会いと人生の破滅への道程でした。
都会では無気力に見えたアグスティンが愛する恋人のために行動する姿は、
彼の存在意義はこのためにあったのかもと感じさせるものがありました。
それだけに観終わった時、切なさにため息をついてしまった1本です。
監督:アナ・ピターバーグ 出演:ヴィゴ・モーテンセン ダニエル・ファネゴ ソレダ・ビジャミル ソフィア・ガラ・カスティリオーネ ハビエル・ゴディーノ
2012年 アルゼンチン/スペイン/ドイツ 原題:TODOS TENEMOS UN PLAN/EVERYBODY HAS A PLAN
(20130704)
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公式サイトはこちらへ http://www.itsuwari-jinsei.com/追伸
この映画は試写会で観ました。公開は7月12日以降の予定です。