4つの短編のオムニバスです。どれも痛いなあと思いながら観ていました。
『イノチミジカシコイセヨオトメ』
ピンサロ嬢・クミコ(安藤聖)の物語です。
彼女には好きな男・ヒデキ(尾上寛之)がいました。
ヒデキとは1年以上も一緒に暮らしていたのですけど、ひと月前に出て行ってしまいました。
彼女が暮らしのためにピンサロ嬢になったことが原因です。
でも、彼の夢のためには自分が働くしかなかったのです。
そんな悲しみの中、母の突然の訃報が届きます。
彼女はこのままで良いのか悩み始めました。
どんなふうに終わるのだろうかと思っていたのですけど、意外に爽やかな余韻が残る作品でした。
ちょっとほっとしました☆
『あたしの窓』
OL・ミエ(山田真歩)の物語です。
今日は夕方にクリープハイプのライブがあります。
ファンだった彼女はチケットを取って密かに楽しみにしていました。
ちゃんと間に合うためには午後半休が必要だったのですけど、上司から断られます。
しかも、今日中にという指示で大量の仕事を依頼されてしまいます。
断ることの出来なかった彼女は、定時で帰宅する上司の後姿を見送るしかありませんでした。
これは心情的に一番共感できる作品でした~
でも、私の場合、上司を置いて映画館へ行ってしまうパターンが多いので、
逆にとても申し訳なく思ってしまいますけど(^_^.)
それでも、泣けるなあと思いながら観ていました☆
『おやすみ泣き声、さよなら歌姫』
オタク青年・ツダ(大東駿介)の物語です。
彼はある歌手の大ファンです。でも、その歌手は引退を決意していました。
彼は引退ライブを堪能してCDを購入し、それを聴きながら道端で踊り狂います。
そして、悲しみと怒りに囚われていきました。
一番短くて、でも、インパクトのある作品でした。
大東駿介さんの演技がすごかったです☆
『傷つける』
トレーラーハウスで暮らすリクオ(池松壮亮)と話さない女・ユーナ(黒川芽以)の物語です。
リクオはさまざまなバイトでその日暮らしの生活をしている若者です。
ある日、彼の暮らしているトレーラーハウスの敷地に見知らぬ女の子がやって来ました。
その子・ユーナ(黒川芽以)はちょっとぼんやりした顔で空を見つめています。
その様子に興味を持ったリクオは彼女に話しかけますが、彼女は何も答えません。
彼女の反応に怒りを覚えた彼は、クミコの働くピンサロで仕事をさせようと連れて行きました。
でも、クミコが仕事を覚えさせようとしても、ユーナはあまり反応してくれません。
その頃、トレーラーハウスに戻ったリクオが置き去りになっているユーナのバッグを調べると
財布にはしっかりと現金が入っており、しかも彼女が聞いていたイヤホンの先には
何もプレイヤーが付いていませんでした。
ユーナが何か問題を抱えている子だと悟った彼は、ピンサロから貰った紹介料を投げ返すと
ユーナを連れて店を飛び出しました。
これもどんなふうに終わるのだろうと思っていたのですけど、ラストはかなり痛かったです~
一番長くて、池松壮亮さんの演技と真剣勝負しながらスクリーンを観ているような気分になりました。
とても緊張する作品でした☆
監督:松居大悟 出演:池松壮亮 黒川芽以 山田真歩 安藤 聖 大東駿介 尾上寛之 クリープハイプ
2013年 日本
(20131018)
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