みんな親の愛に裏切られて傷付けられた子供たちばかりでした(T_T)
ショート・タームはティーンエイジャーのための短期保護施設です。
原則は1年以内の滞在ですけど、次へ行く場所が無い子供などは
保護制限年齢の18歳まで数年を過ごすこともあります。
傷付けられた子供たちにとっては、ここが最後の居場所でした。
ある日の朝は逃亡した子供を追いかけることから始まります。
いつも自分の殻に閉じこもって痛みに耐えることしか出来ない子供は、時々爆発したように暴れます。
逃げた子供に施設の敷地内で追いついた場合は、捕まえて落ち着くまで一緒にじっとしています。
でも、敷地の外へ出てしまったら、もう触ることは出来ません。
子供が落ち着くまで1日がかりになろうと、一緒に移動し続けます。
そうして寄り添うことで、子供たちの悩みを少しずつでも感じていきます。
そんな施設での時間は、子供たちにとっても掛け替えの無い大切な時間になっていきました。
施設で働く20代のグレイス(ブリー・ラーソン)は、若いけれど子供たちの接し方に定評のある職員です。
彼女の働くショート・ターム12に、母を亡くして父と暮らしていたジェイデンという少女がやって来ました。
賢い少女ですけど、自傷癖があるために平日は施設で過ごし、週末は父のもとで過ごす予定でした。
ジェイデンは誰にも心を開かず、最初から反抗的な言動を見せます。
グレイスはそんな彼女にも適切な感覚で話しかけます。
同じ絵を描くという趣味を持つ二人は、次第に心を通わさせていきます。
そして、グレイスはある出来事をきっかけに、現在のジェイデンが直面している問題を理解します。
それは、グレイスの抱え続けている心の闇にも通じるような問題でした。
それにしても、リアルに感じる作品でした。
監督さんは何を映画にしようと思った時、短期保護施設を描いていこうと思いついたそうです。
自身が大学を卒業して初めて勤めたのがこういう施設だったというだけあって、
それぞれのエピソードがとてもリアルでした。
そして、そんな物語を創りあげていく役者さんたちもとても良くて、
彼らの体現する姿に引き込まれていきました。
毎日は大変ですけど、時々小さな希望を感じられてほっとしました。
観終った時、どんな子供たちにもきっと明るい希望は待っていると信じたくなった1本です。
監督:デスティン・ダニエル・クレットン 出演:ブリー・ラーソン ジョン・ギャラガー・Jr. ケイトリン・デヴァー ラミ・マレック キース・スタンフィールド ラミ・マレック
2013年 アメリカ 原題:SHORT TERM 12
(20141105)
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公式サイトはこちらへ http://shortterm12.jp/追伸
この映画は試写会で観ました。公開予定は11月15日以降の予定です。