主人公はそれぞれ同じ町に住む年齢の近い少年たち4人です。
でも、性格や家柄の違いもあり、お互いに交流はありませんでした。
ある日、彼らは願い事がかなうように、町の片隅にある昔ながらの神様の像に願掛けをしました。
神様への願掛けは、誰もが日常に行っていることで、少年たちも別に一緒に願掛けをしたわけではありません。
ただ、偶然にも少年たちは願掛けのお礼にダンスをすると約束していました。
もちろん、守ろうなんて思わず、軽い気持ちの言葉でした^^;
でも、その神様の像が焼けてしまうという事件が起きます。
これは神様の怒りに触れる何かがあったのではと考えた少年たちは、それぞれの想いもあって
神様へ捧げるダンスにチャレンジすることになっていきました。
それにしても、意外にほろ苦いというか、かなり社会全体を見つめている映画でした。
4人の少年たちのバックグランドが本当にバラバラです。
一人は海外留学が当たり前なくらいな上流階級の高校生。
一人はまんがとゲームに夢中だけど、それくらいのんびり出来る裕福な環境にある高校生。
この二人は同じ高校の友達です。
あとの二人がけっこう厳しいです。
団地住まいの高校生は、父が働かずにデモ活動ばかりしているため、
進学のためにはスポーツ奨学金なくてはなりません。もう卓球に必死です。
でも、幼い兄弟の面倒もみなくてはなりません。
家族のためにもと父を諫めても、父は危険なデモまで参加して帰宅しない日もあります。
父を心配した彼は銃弾の飛び交うほどのデモの中を、必死になって父を捜しに行きました。
最後の一人は学校へ行かずに家を出て、知り合いのところに居候しています。
彼にはK-POPダンスで生きる道しか残されていません。
とても難しい道ですけど、夢物語を現実にすることが彼の唯一の未来なのです。
そして、そんな4人+指導役のダンサーが踊るダンスの出来は、やっぱり厳しいものでした(T_T)
結局、子供の世界は大人の世界を反映しているものなのかも知れません。
大人が伸ばそうとしなければ、子供たちは小さくなってしまうばかり。
社会だって悪いところはそのまま変わらずに続いて行くまま(-_-)
そんな辛い現実を伝えているような作品でした。
観終わった時、ある意味でタイの現実を教えてもらった気がした1本です。
監督:コンデート・ジャトゥランラッサミー 出演:ソンポップ・シッティアージャーン シリパット・クーハーウィチャーナン ナタシット・コーティマナスワニット アナワット・パッタナワニットクン ナッタラット・レーカー
2013年 タイ 原題:TANG WONG
(20141025)
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東京国際映画祭のサイトはこちらへ http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=171追伸
この映画は第27回東京国際映画祭で観ました。公開予定は未定です。
追伸2
昨日のお昼にUPした時に、あわててひつじを付けるのを忘れてしまいました!
ひつじの追加のついでに、少しだけ文も直しましたm(__)m
(20141218)