頑固おやじ!?と思いつつも、観ているうちに納得してしまいました(^^ゞ
坂道を登った先にある小さな洋裁店では、今日も足踏みミシンの音が響いていました。
ミシンを踏んでいるのは店主の市江(中谷美紀)です。
彼女は亡くなった祖母の洋裁店を継いで、2代目として“南洋裁店”を開いていました。
南洋裁店には毎日様々なお客がやって来ます。
みんな祖母の服を今でも大切に着ている人ばかりです。
子供に引っ張られて破れてしまった服の修繕や、母親が着なくなったワンピースを自分用にリフォームなど
家族と共に時を過ごしているからこその依頼もあります。
祖母の服に関する全ての依頼に市江は笑顔で応えていました。
同じ頃、南洋裁店にはちょっと変わった来客もありました。
デパートに勤める藤井(三浦貴大)です。
彼は市江の製作する服に惚れ込んで、独自のブランドにしないかと提案してきたのです。
でも、市江には全く応じる気はありません。彼女にとっては祖母の服を維持することが大切なのです。
そんな気持ちは藤井には全然理解できませんでした^_^;
それにしても、きれいな作品でした~
映像も物語も、どこか凛とした気品を感じました。
それは主人公の生き方が反映されているのかも知れませんね。
黙々とミシンに向かっている市江の背中に美しさと強さを感じました。
そして、市江の生き方に色々と考えさせられました。
あと、ところどころで登場する食べ物が美味しそうでした!
特にボリューム感のあるチーズケーキは市江がとても美味しそうに食べているので
観ているこちらも食べたくなりました~
中谷さんはリハーサルや本番で合計10個も食べたそうです。
あの丸ごと10個はすごいですけど、ちょっと羨ましかったです(^^ゞ
そう言えば、高校の家庭科の先生が、学校の制服くらいしっかりした服は本当に大切に着れば
3年よりもっと何年でも着られるものなのよと言っていたのを思い出しました。
観終った時、自分に合った大切な服を直しながら何年も着続けるって、どれほどその服を愛したのだろうとしみじみ思った1本です。
監督:三島有紀子 出演:中谷美紀 三浦貴大 片桐はいり 黒木華 杉咲花 中尾ミエ 伊武雅刀 余貴美子
2015年 日本
(20150131)
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公式サイトはこちらへ http://tsukuroi.gaga.ne.jp/