歌舞伎町にあるラブホテルを舞台に一晩の出来事を描いた群像劇です。
染谷将太&前田敦子主演で廣木隆一監督作品なので、どんな物語が展開されるのだろうと気になっていました。
主人公・徹に降りかかる出来事が衝撃的で、気の毒なくらいの1日が描かれていました~
徹(染谷将太)と沙耶(前田敦子)は夢を追いながら歌舞伎町で一緒に暮らしています。
今日はバンドでプロを目指している沙耶がプロデューサーと話し合いをするという大切な日です。
一方、東北から東京へ出て来て専門学校を卒業し、ホテルマンとして働き始めた徹は、
このところ冴え無い顔をしていました。
実は徹の勤め先はホテルはホテルでも自転車で行けるところにあるラブホテルだったのです。
でも、それは東北にいる家族にも、自分を応援してくれる沙耶にも内緒にしています。
彼には一流のホテルマンになるという目標を捨てられずにもがいていました。
徹と沙耶は一緒に家を出ると、それぞれの仕事先へと向かいました。
徹にはちょっと憂鬱ないつもの日常の始まりです。
でも、その日のラブホテルは、彼の心を大きく揺るがす訳ありの客が次々とやって来ました。
それにしても… この日の徹は大変でした(T_T)
それはもう、全てを放り出したくなるのも納得でしょうという感じです。
ラブホテルは客たちの欲望に満ちていて、心が傷付いたり癒されたりする場所です。
特に遊び以上のことを考えている客たちは、誰もが心に暗いものを抱えています。
中には心無い言葉や行動に傷付けられる人がいます。
ただし、逆にここへ来ることを納得し前へ進もうとしている人も、
仕事とは言え相手を癒そうとしている人もいました。
そんな悲喜こもごもに日々触れていく徹は基本的にはビジネスライクに働いていました。
でも、その日はどうしても見過ごすことの出来ない客ばかり来ます。
そして、直視することを避けていた自分の現実を突きつけられた彼は、ついに衝動的な行動に出ました(-_-)
様々な客がやって来ましたけど、中でも家出少女を引っ掛けようとした風俗スカウトマン(忍成修吾)と
風俗で貯金をして故郷で店を持つという夢へ向かっている韓国の女性(イ・ウヌ)のエピソードが心に残りました。
観終った時、ラスト近くに流れた女性たちのカットが全てを物語っているなあと感じた1本です。
監督:廣木隆一 出演:染谷将太 前田敦子 イ・ウヌ ロイ 樋井明日香 我妻三輪子 忍成修吾 田口トモロヲ 村上淳 河井青葉 宮崎吐夢 松重豊 南果歩
2014年 日本
(20150125)
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