リトル・フォレスト 冬・春

五十嵐大介著の同名コミックを森淳一監督＆橋本愛主演で創り上げたドラマです。
昨秋に公開された「夏・秋」がとても心地良かったので、続編も楽しみにしていました。
冬の雪の中で過ごす日々や、雪解けと共に広がっていく自然の恵みの美しさに癒されるような作品でした。

次々と登場する美味しそうな食材と料理に、やっぱりニコニコしてしまいました(^^ゞ

冬支度と共に雪景色へと変わっていく山間の村・小森では、毎日の雪かきが欠かせません。
家から除雪車の入る道は確保しないと困るからです。
いち子（橋本愛）は今日もせっせと雪かきをしていました。

雪の想い出は、母の作ってくれたクリスマスケーキや、村総出で作ったお餅の料理など
美味しい食べ物と一緒に心に残っています。
でも、一番印象に残っているのは雪の日に母（桐島かれん）が蒸発してしまったことです。

春なのに大雪が降ったある朝のこと。いち子が雪かきを手伝わないまま学校へと向かった後に
母はばっけ味噌を作って、そのまま居なくなってしまいました。
その後、母から届いた手紙には母の気持ちが綴ってありましたけど、当時のいち子には解り難い内容でした。
最近になって、ようやく分かるかなもと思い始めたところです。

いち子は都会で一人暮らしをしたことがありましたけど、今は小森で暮らしています。
どうしても都会での暮らしに慣れることが出来なかったからです。
でも、その逃げたという想いはどうしても彼女の心の隅に残っていました。
それは彼女の次への原動力と変わっていきました。

それにしても、やっぱり癒される作品ですね～
前作もでしたけど、美味しそうな食べ物が登場するたびにニコニコしてしまいます(^^ゞ
やっぱり生きるって美味しく食べることなのだなあとしみじみ思いました。
そして、いち子の心を癒すのは、全てが美味しい食に繫がっていくこの場所なのだなあと実感しました。

春は次の冬への準備であり、四季はそのサイクルの繰り返しです。
そうして日々の生活を楽しみながら生きていく働き者の村人たちの姿に純粋な逞しさを感じました。
観終った時、明日への元気が貰えたなあと思いながら、ゆったりした気持ちになった１本です。



監督：森淳一　出演：橋本愛　三浦貴大　松岡茉優　桐島かれん
2015年　日本
（20150224）

→公式サイトはこちらへ　http://littleforest-movie.jp/ws/