50年間の封印が解けて本当に良かったと思ってしまいました(T_T)
第二次世界大戦に突入したヨーロッパでは、ナチスが使用している暗号機エニグマの解読が各国で行われていました。
イギリスでも密かにチームが作られて解読に挑んでいましたが、全く歯が立たない状況でした。
ある日、数学者のアラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)が解読チームに参加したいと
デニストン中佐(チャールズ・ダンス)のもとを訪ねてきます。
チューリングを気に食わないと感じた中佐はすぐに追い返そうとしますけど、彼の話を聞いて思い直し参加を認めました。
でも、チューリングはなかなか結果を出せません。
一人で自分の考える計算機の設計に取り組んでいるだけで、他のチームメンバーが苦労している
暗号の解読には参加しなかったのです。
チームには全く溶け込めず、リーダーのヒュー・アレグザンダー(マシュー・グード)も持て余すばかりです。
でも、チューリングは現状に飽き足らず、自分の製作するマシンの開発費用を得るために
デニストン中佐を飛び越して首相へ直訴の手紙を出してしまいます。
それは、デニストン中佐とチームの仲間から更なる反感を得るだけでした。
それにしても、チューリングの人生は哀しいですね(T_T)
数学者としてコンピュータの概念を築いた世紀の天才の人生はとても孤独でした。
人に理解されず、学生時代に出会った唯一の親友は若くして亡くなってしまい、
大人になって一番の理解者だったジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)とも
苦悩の果てに別れを選択してしまいます。
もともとコミュニケーションに不器用だった彼が最後まで不遇のままに人生を終えてしまったことに
胸が痛くなりました(T_T)
また、エニグマ解読に挑んで成功した後の究極の選択には考えさせられました。
情報を扱うことの難しさと、情報を知る者の大変さを改めて感じました。
ただ、戦争でエニグマと取り組んでいる時の彼は、どれほど重い責務を背負っていたとしても
一緒に苦悩を分かち合える仲間がいたことは、彼にとっては幸せな時間だったのかもと思いました。
そして、そんな生き生きとした彼を観ただけに、その後の展開が切なかったです。
観終った時、いつの時代も異端者は生きるのが難しいのねとしみじみと感じた1本です。
監督:モルテン・ティルドゥム 出演:ベネディクト・カンバーバッチ キーラ・ナイトレイ マシュー・グード マーク・ストロング チャールズ・ダンス アレン・リーチ ロリー・キニア
2014年 イギリス/アメリカ 原題:THE IMITATION GAME
(20150325)
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公式サイトはこちらへ http://imitationgame.gaga.ne.jp/