2週間前の朝から始まる物語です。
朝、目を覚ましたクリスティーン(ニコール・キッドマン)は違和感を覚えて不安でいっぱいになりました。
隣に寝ている男も、今いる場所がどこかも、自分が老けて見えることも、全てが記憶と違っていたのです。
ベッドから駆け込んだバスルームのドアからそっとベッドルームを覗くと、
隣に寝ていた男が起きていて彼女に説明を始めました。
自分は彼女の夫ベン(コリン・ファース)で、彼女は事故で脳にダメージを受け、
1日の記憶しか保てなくなってしまったことや彼女の記憶は朝起きると20代前半に戻ってしまうこと、
二人の結婚のことなど、彼女の不安と疑問を払拭するように優しい表情で語ります。
ショックを受けていたクリスティーンは、毎朝こうなの?と怯えた顔で問いかけました。
ベンが車で仕事に出かけてクリスティーンが家の中で所在なさげにしていると、電話が鳴りました。
恐る恐る取った受話器から男の声で「クリスティーン?」と呼びかける声が聞こえます。
それは彼女の担当医で心療内科医のナッシュ(マーク・ストロング)からの電話でした。
ナッシュは数週間前からクリスティーンの担当医になり、研究のために無料で治療しているところでした。
夫のベンには治療を内緒にしています。どうもベンは治療に反対をしているようなのです。
治療を始めた時、医師はデジカメを渡して映像日誌を撮るように指導し、全てを忘れている彼女のために
毎朝、夫が出かけると電話を掛けて彼女にその事実を伝えていました。
そして、ナッシュの言葉通り、クローゼットに隠されていたデジカメが見つかりました。
それにしても、二人の演技に魅せられました~
ストーリーははじめからほぼ明かされるので難しくは無いのですけど、
解っていても演技に騙されそうになります。
事実はどうであれ、それぞれの愛を持って相手に接しているのです。
特にコリン・ファース演じるベンの献身的な姿にはほろりとさせられました。
でも、やっぱり怪しいのです。
怪しいと解っているのに、それでもやっぱりベンを信じたくなってしまう…
そんなクリスティーンの心情とリンクしながらベンの表情を見つめていました。
そして、やっぱり明かされる真実は怖かったです。
彼らの演技と共に、どんな状況をも凌駕した息子への愛の強さが印象に残りました。
観終った時、ニコール・キッドマンがこの役を演じてみたいと思ったのも分かるなあと感じた1本です。
監督:ローワン・ジョフィ 出演:ニコール・キッドマン コリン・ファース マーク・ストロング アンヌ=マリー・ダフ
2014年 イギリス/フランス/スウェーデン 原題:BEFORE I GO TO SLEEP
(20150523)
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公式サイトはこちらへ http://repeated-movie.com/