喜びだけでも哀しいだけでもダメ。人の心にはバランスが必要でした~
父親の仕事の都合で自然がいっぱいのミネソタから都会のサンフランシスコへ引越してきたライリー(伊集院茉衣)。
素敵な思い出の地を離れた彼女は、元気な明るさが影を潜めて情緒不安定になっていきます。
学校のクラスでも自己紹介で泣き出してしまうし、大好きだったアイスホッケーも手につかない状態でした。
実は彼女の感情を司る脳内では、ヨロコビ(竹内結子)とカナシミ(大竹しのぶ)が
事故で司令室から外へと吸い出されてしまうというトラブルが発生していました。
必死に戻ろうとするヨロコビとカナシミは、次々と変化していく脳内の状況から帰り道が遠くなって司令部までたどり着けません。
そして、司令部では残されたイカリ(浦山迅)たちが何とかしなくてはと考え始め、
ライリーに家出をさせる計画を立て始めてしまいました(-_-)
それにしても、ライリーの脳内はテーマパークのようでした~
たくさんの想い出がつまった棚。それは古いものも新しいものも含めて膨大な量になっています。
まるで巨大な迷路のような棚が並んでいる風景は壮観です。
その中で密かに働いているものたちが、要らなくなった記憶を吸い取って捨てている様子はちょっと怖いなあと思いました。
また、彼らが何度も昔のCMを流して楽しんでいる様子を観て、
突然に変な記憶がふと甦るのはこういうこと?と笑ってしまいました。
そして、何と言ってもカナシミの存在が面白かったです。
この物語の主人公はヨロコビとカナシミですね。
ほとんどのシーンに登場し続けるハイテンションのヨロコビは、自分の行動に自信を持っています。
自分の行動を正しいと突き進むヨロコビは、観ていてい楽しい半面、本当の正しさはこれでいいのかなという疑問も出て来ます。
一方のカナシミは正反対のキャラクターです。
悲観的ですけど、ゆっくりと動く分しっかりと考えて行動し、相手の気持ちをちゃんと見ています。
江戸っ子的なヨロコビは時々カナシミのテンポにイライラしますけど、次第にカナシミの良さを理解していきます。
そして、二人が協力して本当の力を発揮した時、事態は解決へと向かっていきました。
日本語版吹替を担当した竹内結子さんと大竹しのぶさんはさすがに上手かったです~
あと、ライリーの想い出のキャラクターを演じた佐藤二朗さんも良かったです。
観終わった時、自分の脳内がこんなに楽しかったら観てみたいなあとニッコリした1本です。
監督:ピート・ドクター 吹替版の声の出演:竹内結子 大竹しのぶ 佐藤二朗 伊集院茉衣 浦山迅 小松由佳 落合弘治 花輪英司 田中敦子
2015年 アメリカ 原題:INSIDE OUT
(20150723)
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公式サイトはこちらへ http://www.disney.co.jp/movie/head.html