天才は大変だなあとしみじみ思ってしまいました。
1980年代。一人の男が自動車販売店に何気なく立ち寄りました。
彼は赤い車に興味を持った様子で、早速、販売員のメリンダ(エリザベス・バンクス)が応対を始めます。
ふと彼女はその男の客を見張っている人影を見つけて奇妙に感じたところ、
男は自分のボディガードみたいなものだと言います。
その言葉を冗談かと思った彼女に、見張りとは別の男が、この男が誰だか判るかと声をかけて来ました。
メリンダが知らないと答えると、ザ・ビーチ・ボーイズのブライアンだよとニヤニヤしながら教えました。
メリンダはザ・ビーチ・ボーイズの歌を聴いて育った世代でしたので、偶然の出会いに喜びますけど、
彼女の考えているイメージとは違って弱々しいブライアンの姿に戸惑います。
しかも、彼の主治医だと言うユージン(ポール・ジアマッティ)の言うなりになっているのです。
去り際にブライアンから電話番号を渡された彼女がそのカードを見ると、
孤独と恐怖に苛まれている彼の胸の内が書かれていました。
それにしても、栄光の後の人生はブライアンにとっては厳しいものでした~
彼の才能は天才的でしたけど、その才能の開花には父からの英才教育と暴力があり、
幼い頃から父に支配されています。
憎いけれども一番認められたい人でもある父に、彼は大人になってからも振り回されました。
曲の大ヒットで世界ツアーも行われていた頃、彼とグループとの音楽の方向性が変わって行きます。
やがてスランプからアルコール&ドラッグへと堕ちていき、そこから長い年月が過ぎていきます。
そして、怪しい医者に薬漬けにされて財産を奪われ始めた頃、彼はメリンダと出会います。
その出会いは彼の運命を大きく変える出来事になりました。
ラストに流れた現代の姿とその後の人生の説明文が、現代の彼の幸せを物語っていました。
観終った時、あそこまでドラッグ漬けだった人が変われるなんて、
愛の力ってすごいなあと思ってしまった1本です。
監督:ビル・ポーラッド 出演:ジョン・キューザック ポール・ダノ エリザベス・バンクス ポール・ジアマッティ ジェイク・アベル ケニー・ウォーマルド ブレット・ダバーン
2014年 アメリカ 原題:LOVE & MERCY
(20150831)
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公式サイトはこちらへ http://www.loveandmercy-movie.jp/