富山県で行われている新湊曳山まつりを舞台に、掛け替えの無い友情と人生を見つめる人間ドラマです。
予告編を観て、この迫力あるまつりのシーンを観てみたいなあと気になっていました。
まつりへの熱い想いと共に、本当に大切な心とは何かを考えさせられるような物語でした。
雑誌にも取り上げられるようなIT企業CEOの中原祐馬(竹野内豊)は今日も部下の持ってきた案件に
厳しい裁定を下していました。
部下たちはそんな社長の指示の厳しさに戦々恐々となり、自分を抑えながら従っています。
ここで逆らうと、会社をクビになることが分かっていたからです。
そんな中、中原の携帯に着信がありました。数年前に退社した旧友・塩谷航平からの電話です。
元々この会社は中原と親友だった塩谷の二人で立ち上げた会社でしたけど、
社長の中原と副社長の塩谷の間で意見の相違があり、塩谷の方が会社を辞めていたのでした。
中原が塩谷の電話に出ないままやり過ごそうとしていたところ、秘書の大場(優香)が
自分のところにも塩谷から電話があったが、折り返しても出なかったと告げました。
塩谷に何かあったのでは無いかと思い始めた彼は、塩谷の故郷の富山へと向かいます。
そこで、中原は親友だった男の死を知ることとなりました。
それにしても、何だか自分を振り返って考えさせられるような物語でした。
もちろん私はCEOではないし、特に誰かと約束をした訳では無いですけど、
自分にとって約束とは何だろうなあと思わず考えていました。
多分、人にとっての一番初めの約束は、幸せな人生を送るということだと思います。
そして、人は自分が幸せだと思う人生を選ぼうとします。
でも、この主人公の場合は、その選択がどこかで間違っていたのです。
そして、台詞にもある“失ってから気付く”大切なものの大きさを思い知らされました。
世の中、大切なものを当たり前と思いながら生きている人が多い中で、
せめて、この主人公は遅ればせながらでも気付けて幸せだったのかも知れないなと思いました。
観終った時、きっとこの主人公は親友が心の中に生きている限り、
いい人生をやり直せるだろうなと感じた1本です。
監督:石橋冠 出演:竹野内豊 江口洋介 優香 松坂桃李 小池栄子 高橋ひかる 美保純 室井滋 柄本明 西田敏行
2016年 日本
(20160118)
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