エディ・レッドメインの演技に魅せられました~
アイナー(エディ・レッドメイン)はデンマークで人気の風景画家です。
彼の故郷の風景を描いた風景画は個展でも人が集まりました。
一方、彼の妻で肖像画家のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)の絵はあまり人気がありません。
画商に見せても、この絵は売れないときっぱり言われるような始末でした。
ある日、ゲルダの絵のモデルが遅刻して、時間になってもアトリエへやって来ませんでした。
仕方なくゲルダは女性モデルの着る予定だったタイツと服を夫アイナーに渡します。
モデルの代わりをお願いしたのです。
心優しいアイナーは気軽に引き受けますけど、次第に自分が女性の服に惹かれていくのを感じます。
それは戸惑いと同時に、自分の心の奥底にずっとあったものだと納得させるものがありました。
アイナーはどうしても自分が女性で生きたいと思う心が止められなくなってきます。
男性の身体であっても、子供の頃から女性としての心が奥底に隠れていたのだと悟ったのです。
でも、女性のリリーとして生きることは1920年代のヨーロッパでは理解されないことでした(T_T)
それにしても、実話を基に創られた作品なのですね。
結婚して数年が過ぎ、子供を欲しがっていた夫婦に起きた出来事です。
この切ない物語が現実にあったことだなんて…考えるだけで涙です。
トム・フーパー監督は「レ・ミゼラブル」を撮っていた時に、マリユス役のエディ・レッドメインへ
今作の脚本を渡したところ、彼はすぐに、やりたい!いつから撮るの!?と訊いて来たそうです。
そんなエディの演技は線の細い身体の中に、自分の信念を貫く強さと
可憐な美しさを兼ね備えたリリーにぴったりでした。
見終わってみると、もうリリーは彼しか考えられません。
終わり近くにリリーがゲルダへ夢の物語を幸せそうに語るシーンには涙しかありませんでした。
また、そんなリリーを支えた妻ゲルダを演じたアリシア・ビカンダーはアカデミー賞も納得の演技でした。
彼女の心を大きく揺らしながらもリリーを女性として受け入れて支え続けた姿に心を打たれました。
観終った時、このリリーの物語はこの監督&キャストに出会えて本当に良かったなあと感じた1本です。
監督:トム・フーパー 出演:エディ・レッドメイン アリシア・ヴィキャンデル ベン・ウィショー セバスチャン・コッホ アンバー・ハード マティアス・スーナールツ
2015年 イギリス 原題:THE DANISH GIRL
(20160309)
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公式サイトはこちらへ http://lili-movie.jp/追伸
この映画はジャパンプレミアで観ました。公開は3月18日以降の予定です。