☆「イタリア映画祭2016」へ行って来ました

4月29日から有楽町で開催されている映画祭へ行って来ました。
今年は『待つ女たち』『あなたたちのために』『オレはどこへ行く？』の3本にチャレンジ出来ました。
それぞれとても特徴のある作品でした～

『待つ女たち』
シチリアを舞台に恋人の帰郷を待つ女性と恋人の母親との不思議な数日間を描いたドラマです。
ジュリエット・ビノシュ主演というのに惹かれて観てみました。
全体的に悲しみのトーンに彩られていて、台詞よりも映像と演技で伝えてくるような作品でした。
監督さんの故郷シチリアを舞台にしていて、復活祭の夜の独特な雰囲気をクライマックスに持ってきています。
実のところ、イタリアの文化をほとんど知らない私には理解できたかな？という感じですけど
普通の旅行では体験できないような静かで幻想的なシーンには引き込まれました。
あと、彼女役のルー・ド・ラージュがとてもキュートでキラキラ輝いていました(^^)

監督：ピエロ・メッシーナ　出演：ジュリエット・ビノシュ　ルー・ド・ラージュ
2015年　イタリア　原題：L'attesa

『あなたたちのために』
3人の子供を育ててきた母アンナが精神的な自立への道を辿るまでを描いたドラマです。
アンナの心象に合わせてモノクロとカラーを使い分けたり、時には歌で台詞を補ったりと、
かなり独特なつくりになっている作品でした。
ストーリーも女性の自立というよりは、子供の頃の体験で自信と心の自由を奪われてしまった主婦が
就職をきっかけに家族のしがらみや自分の心の傷から解放されていくという感じです。
貧困や格差と言った社会問題もベースにあります。
上映前の舞台挨拶で監督さんたちが、理性で理解しようとするのではなく心を開いて感じてと言っていたのは
なるほどなあという感じでした。
また、この難しそうな作品を観客に体現させてくれるヴァレリア・ゴリーノの演技は、
ヴェネチア国際映画祭で女優賞受賞も納得かもと感じました。

監督：ジュゼッペ・M・ガウディーノ　出演：ヴァレリア・ゴリーノ
2015年　イタリア　原題：Per amor vostro

『オレはどこへ行く？』
イタリアでは興収で歴代トップの大ヒットとなったケッコ・ザローネ主演のコメディです。
主人公は子供の頃から公務員の父の背中を見て育ち、自分も希望通りの公務員となった主人公の物語。
今のイタリアでは安定職の公務員は、No.1の結婚相手のようです。
映画の中では38歳の両親と同居しているマザコンの主人公へ美女が必死にアプローチしていました。
でも、行政改革でリストラ対象になり、必死に公務員というステータスにしがみつこうとします。
とんなところへ左遷されてもめげない明るさとパワーには思わず笑わされることも数多く…
いや～、本当に爆笑でした～☆

監督：ジェンナーロ・ヌンツィアンテ　出演：ケッコ・ザローネ
2015年　イタリア　原題：Quo vado?



→イタリア映画祭2016の公式サイトはこちらへ　http://www.asahi.com/italia/2016/