よくぞ、この役をやり遂げたなあと心の中で拍手を贈ってしまいました~
ため息のような息遣いの微かな音から始まる物語です。
毛皮を得るために移動している一団を案内していたグラス(レオナルド・ディカプリオ)は
ある朝、息子ホーク(フォレスト・グッドラック)と一緒に偵察を兼ねて森へ入っていました。
彼らが運良く獲物を見つけて仕留めた頃、仲間の居るキャンプを先住民たちが襲い掛かっていました。
多勢に無勢のため仲間たちは次々と殺されてしまいます。
慌てて森から戻って来たグラスは状況を見ると、すぐさま船で逃げる選択をしました。
しかし、目的地の砦へ向かうのには途中で船を捨てて山へ向かわなくてはなりません。
川沿いを縄張りとする先住民に命を狙われる可能性が高かったからです。
そのためには毛皮を森に隠して身軽になってから山を越える必要があります。
そんな行程にしようとするグラスに対してフィッツジェラルド(トム・ハーディ)は不服を唱えます。
そして翌朝、独りで偵察に出たグラスは子供を連れた凶暴な熊に襲われ瀕死の状態になってしまいました。
それにしても、余すことなく状況が伝わってくるような作品でした。
尊厳をも感じさせるような光と影が織り成す大地の美しさ。
雪の冷たさや嵐の激しさに代表されるような雪山の厳しさ。
そして、そんな自然の中で繰り広げられている、血で血を洗うような人間同士の戦乱のような戦い。
全てが視点を外すことなくスクリーンに映し出されていました。
演技も見応えがありました。
出だしから映画の中に引き込まれてしまったので、俳優と言うよりは役そのもののように感じました。
とにかく、厳しい環境と不運の連続であまりの痛々しさに目を逸らさないでいるのに根性が要ったかも^_^;
これだけの演技を見せられたら、アカデミー賞をあげないのも可哀想と思う程の大変なシーンばかりでした。
ラストシーンのディカプリオの表情はしばらく頭に残るほどインパクトがありました。
夜、あのシーンの意味は何だろうなあと考えながら眠りにつき、翌朝、こんな意味かなと目覚めた1本です。
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ 出演:レオナルド・ディカプリオ トム・ハーディ ドーナル・グリーソン ウィル・ポールター フォレスト・グッドラック
2015年 アメリカ 原題:THE REVENANT
(20160517)
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