☆『イタリア映画祭2017』へ行って来ました その3☆

“その2”の続きです。残りの2作品の感想です。

→公式サイトはこちらへ　http://www.asahi.com/italia/2017/

『切り離せないふたり』

結合性双生児の姉妹デジーとヴィオラを巡る物語です。

幸せを呼ぶ奇跡の歌手として、18歳のこの姉妹は人気者でした。
でも、彼女の家族は収入の全てを二人に頼っている上に、マネージャーをしている父は二人のお金を
全てギャンブルに使い果たすなど、どうしようもない一家でした。

ある時、二人の様子を見かけた医者が、二人は臓器を共有していないので切り離せると判断します。
その言葉を聞いた二人は、手術をするための渡航費用を父に求めますが、当然お金はありません。
そして、二人は密かに家出をしました。

普通の女の子になって青春を謳歌したいと願う双子と、彼女たちの特異な状態に価値を求める父や新興宗教。
彼女たちの願いが叶うのか最後までハラハラしました。
二人の命をかけたギリギリの選択がとても切なかったです。

監督：エドアルド・デ・アンジェリス　出演：アンジェラ・フォンターナ　マリアンナ・フォンターナ　トニ・ラウダディオ　マルコ・マリオ・デ・ノタリス　ガエターノ・ブルーノ　ジャンフランコ・ガッロ　アントニア・トルッポ　マッシミリアーノ・ロッシ
2016年　原題：Indivisibili


『かけがえのない数日』

人生の岐路に立つ4人の女子たちの数日間を描いたロードムービーです。

仲間のうちのひとりが友人を頼ってセルビアのベオグラードへ行くことになりました。
地元の小さなホテルで働いていた彼女は、友人の紹介で良いホテルで働くことになったのです。
4人にとっては初めての国ですけど、これからは一緒にいられる機会も少なくなると
青春最後の旅を4人で楽しむことにしました。

彼女たちはそれぞれに問題を抱えています。
仕事や恋への不安。浮気性の恋人。結婚の予定の無い妊娠。そして癌。
解消できない悩みを抱えながら、旅は進んで行きました。

彼女たちの悩みは旅が進んでも解決する訳ではありません。
それでも、人生の次のステップへ進んでいかなくてはなりません。
それだけに、この青春の最後のような時間がとてもキラキラ輝いて見えました。

人生は決して優しくは無いけれど、きっと乗り越えて幸せになれる日が来るよと
じんわりと伝わってくるような作品でした(^^)

監督：ジュゼッペ・ピッチョーニ　出演：マリア・ロヴェラン　マルタ・ガスティーニ　ラウラ・アドリアーニ　カテリーナ・レ・カゼッレ　フィリッポ・ティーミ　
2016年　原題：Questi giorni