3月のライオン 後編

羽海野チカ著の同名コミックを神木隆之介主演で映画化した青春ドラマの後編です。
前作が良かったので、後編も楽しみにしていました。
生きるために将棋を選んだ心優しい少年の人生は、大切な人を守るために強く輝いていきました。

新人戦に勝利した桐山零（神木隆之介）は、予想以上に盛り上がっている周囲の反応に戸惑います。
学校では表彰され、天才・宗谷冬司（加瀬亮）とのイベント戦が企画されます。
それでも、彼はいつもの通り日々の鍛錬に勤しむしかありませんでした。

宗谷との戦いのために、多くの人が零に手を貸そうとします。
師匠の島田（佐々木蔵之介）や親友の二海堂（染谷将太）は直前まで対策を一緒に練ってくれましたし、
養父の幸田（豊川悦司）は彼が落ち着くように電話で話しかけてくれました。
宗谷はやはり敵わない相手でしたけど、この経験は零を精神的に強くしてくれました。

宗谷との敗戦から落ち着きを取り戻した頃、零が家族のように心を寄せている川本家に問題が起きます。
中学3年生の川本ひなた（清原果耶）が、いじめに遭っていた同級生を庇ったために
新たないじめの標的にされてしまったのです。
担任教師は見て見ぬふりをする中、泥で汚れた姿になって泣くひなたを零は自分が守ると言い切りました。

それにしても、ますます過酷ですね～
今回は零だけでなく、川本家にも辛い出来事が起きてしまいます。
いじめだけでなく、3姉妹と母を捨てて家を出た父親（伊勢谷友介）が突然に現れるのです。
父親に怯える3姉妹に代わって自分が前に出て頑張ろうとする零は
将棋で戦うように事前の準備をして、口の達者な父親の主張を論破していきます。
でも、その厳しい言葉は3姉妹の心を傷つけ、零を川本家から遠ざけてしまいました(T_T)

自分には将棋しか無いと信じている零は、ますます将棋漬けの生活になっていきます。
まるで命を削るように全身全霊を掛けて戦いに臨む後藤（伊藤英明）との一戦はとても迫力があって
思わず瞬きを忘れるようにスクリーンに見入ってしまいました。
そして、彼が必死に考えた一手には思わず息を飲んでしまいました。

零の心の成長が彼に将棋が好きと言う気持ちを教えてくれて、本当にほっとしました。
観終った時、これからの零の成長をまだまだ観てみたいなあと感じた1本です。



監督：大友啓史　出演：神木隆之介　有村架純　染谷将太　倉科カナ　清原果耶　佐々木蔵之介　加瀬亮　伊勢谷友介　前田吟　高橋一生　新津ちせ　伊藤英明　豊川悦司
2017年　日本
（20170517）

→公式サイトはこちらへ　http://www.3lion-movie.com/