三島由紀夫の同名小説を吉田大八監督が脚色して創り上げた不思議なSFドラマです。
原作は未読ですけど、どんな物語になっているのだろうと気になっていました。
独特な雰囲気で進んでいく物語は、次第に不可思議な結末へと向かっていきました。
大杉重一郎(リリー・フランキー)は民放のニュース番組でお天気コーナーを担当している気象予報士です。
街中でもサインや握手を求められるような有名人ですけど、常に愛人がいて家庭は冷え切っています。
今日も息子の一雄(亀梨和也)の誕生日に家族で食事をと集まったが、肝心の一雄は遅刻した上に
会話も全く弾みませんでした。
ある日、大杉は偶然から自分が火星人だと気付きます。
その途端、地球の現状に危機感を覚え、番組中に天気予報をそっちのけで地球温暖化への警告を始めます。
そして、彼の行動は次第に常軌を逸していきました。
それにしても、さすがはリリー・フランキー主演作、変な物語でした~
常に地球の心配をしている火星人の父。
水の連鎖販売取引のめり込んでいく地球人の母。
自分の将来を決めきれずに、誘われるまま代議士の秘書を務め始める水星人の兄。
自分の美しさに否定的な気持ちを持ち続けながらも、運命を当たり前のように受け入れていく金星人の妹。
皆とても真面目に、誰もが我が道を望むように進んでいるのに、やがて破綻していきます。
でも、どう考えても幸せには見えないのに不幸にも見えず、4人ともに強い存在感を感じるのは何故でしょう。
そんな疑問で頭をいっぱいにしながらスクリーンを見つめていました^_^;
この物語の意味が分かったと聞かれたら、分からなかったとしか言えませんですけど、
変だなと思う割りに面白くも感じました。
観終った時、地球の輝きがとても清く美しく、そして寂しく感じるなあと不思議に思った1本です。
監督:吉田大八 出演:リリー・フランキー 亀梨和也 橋本愛 中嶋朋子 佐々木蔵之介 羽場裕一 春田純一鷹 友利恵 若葉竜也 坂口辰平 藤原季節 赤間麻里子
2016年 日本
(20170527)
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