ドイツ軍の戦略により、ダンケルクの地に追い詰められた連合軍は行き場を失っていました。
浜辺に立ちすくむしか無い数十万の兵士たちは、空から次々と繰り出される爆撃になすすべもありません。
イギリスの戦艦でドーバー海峡を渡る撤退が細々と行われる中、無事に船に乗り込んでも
間も無く戦闘機からの爆撃で撃沈されてしまいます。
英国軍の若い兵士トミー(フィオン・ホワイトヘッド)も、いつ来るか分からない船を待つ
高官や先輩兵士たちの列を眺めながら呆然とするしかありませんでした。
そんな中、トミーは味方の遺体を砂浜に埋めていた若い兵士(アナイリン・バーナード)を見かけます。
すぐに手伝い始めたトミーは、その若者に何かを感じ注目します。
そして、新たな爆撃が去って、重傷者を乗せた担架が置き去りにされているのに気付いた時、
優先的に船に乗るために、その若い兵士と共に担架を運び始めました。
それにしても、リアル感が半端無い作品でした~
出だしから、主人公たちと共に非情な戦場へ置き去りにされた感覚になります。
静かな町中が一瞬で戦場になり、主人公のトミーだけが生き残ることができます。
バタバタと倒れていく若者たちの姿にショックを受けつつも、これがこの地の日常なのだなと感じました。
また、この物語は最初に「防波堤:1週間」「海:一日」「空:1時間」と字幕が出てから始まります。
防波堤の兵士トミーの視点とは別に、イギリスから船で救助に向かうミスター・ドーソン(マーク・ライランス)や
3機だけの戦隊で命懸けの攻撃を行なおうとする戦闘機のパイロット、ファリア(トム・ハーディ)の視点など
合わせて3つの視点から描かれているのも興味深かったです。
そして、各々がその時の状況を判断して作戦の成功へと向かっていく展開に引き込まれていきました。
それでも、何度も船に乗ろうとし、その度に海に投げ出されるトミーの姿は、観ていて苦しかったです。
膨大なエキストラを使ってリアルに創り上げられた映像を観ながら、どれだけ多くの人が
この戦争に左右されたのだろうと改めて考えてしまった1本です。
監督:クリストファー・ノーラン 出演:フィオン・ホワイトヘッド トム・グリン=カーニー ジャック・ロウデン ハリー・スタイルズ アナイリン・バーナード ジェームズ・ダーシー バリー・コーガン ケネス・ブラナー キリアン・マーフィ マーク・ライランス トム・ハーディ
2017年 アメリカ 原題:DUNKIRK
(20170914)
→
公式サイトはこちらへ http://wwws.warnerbros.co.jp/dunkirk/