1993年に創られた岩井俊二監督のテレビドラマを現代に合わせて再構築したアニメ作品です。
オリジナルは未見ですけど、予告編の映像が気になっていたのでチャレンジしてみました。
奥手な島田典道(菅田将暉)は今日も気になっている及川なずな(広瀬すず)を目で追っていました。
気になっているけれど好きと言えない片想いです。
ある日、当番で典道と友人の安曇祐介(宮野真守)がプールへ掃除に行くと、
プールサイドでは水着姿のなずなが一人でのんびりとくつろいでいました。
水泳部の彼女は二人に水泳の競争をしないかと誘いました。
勇んで泳ぎ始めた典道でしたけど、ふとプールの中に美しい玉に気を取られて遅れてしまいます。
結局、競争に勝った祐介になずなは今夜の花火大会へ一緒に行かないかと誘い、男子たちは動揺します。
実は、その日は花火の形を検証するために、典道も祐介も仲間たちと花火を観に行く約束をしたばかりでした。
それにしても、まるで夢のような美しい映像ですね。
めくるめく花火のシーンは圧巻でした。
なずなには心に秘めていた計画がありました。家出をして東京へ行くことです。
実は彼女の母親が再婚をするために町を離れることになったのですけど、彼女は嫌がっていました。
でも、中学生のなずなには親に付いて引越&転校という選択肢しかありません。
どんなに抵抗しても、大人びていても、独り立ちすることは現実的には厳しいのです。
祐介がなずなの誘いを断ると知った典道は、代わりに自分がなずなと花火大会へ行こうと決心します。
ようやくお互いの恋心を自覚した二人ですけど、今日限りで将来はいつ再会できるか分かりません。
もしかしたら、もう会うことは無いかも知れません。
だから、今日1日だけは一緒に居たい。
親に引き裂かれても、友達に邪魔されても、花火の見せる一瞬の夢であっても、一緒に居よう。
そんな強い想いと願いが伝わって来ました。
そして、奇跡が起こりました。
全体的には突っ込みどころはあるのですけど、中学生の素直な感情が真っ直ぐに伝わってくる作品でした。
観終った時、やっぱり奇跡は起きたんだよねと思いつつも、頭の中がぐるぐるした1本です。
監督:新房昭之 武内宣之 声の出演:広瀬すず 菅田将暉 宮野真守 松たか子 浅沼晋太郎 豊永利行 梶裕貴
2017年 日本
(20170830)
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